「恵の雨」へのトリビュート小説!

桜井今日子さんの『君想フ銀ノ雨 君慕フ金ノ庭』から生まれた作品です。

原作では妹の「恵子」目線で語られるストーリーを、今作では兄の「秀一郎」目線で展開されていきます。

同じ時間軸を異なる目線で進んでいくのですが、原作では語られなかった出来事や想いが盛り込まれています。

視点は違えど、「想う」気持ちは変わらず、読めば読むほど心が苦しくなりました。

また、驚きなのが原作の雰囲気がそのまま反映されており、時代背景はもちろん、切なさ、悲しさ、といった感情までもが、原作と違和感なく素直に伝わってきます。
作者さまが原作を深く読み込み、研究したのが伝わってきました。すごく完成度の高い作品です。


原作とのぴったり合っている呼吸感。それはまるで恵子と秀一郎のようーー。

単体でも十分楽しめますが、『君想フ銀ノ雨 君慕フ金ノ庭』を読むとより一層、深いストーリーとなります。

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