愛すること、食べること

最初は主人公の失恋かと思った。しかし読み進める内にそうではないと判った。判ってしまったと言うべきか。
この作品に並ぶ料理の数々、その丹念な描写は、著者の下ごしらえの賜物だろう。
かつ、それよりもなお主眼を置くべきは「彼女」と主人公の関係だ。
もう逢えない人と、彼は語らいながら料理を、酒を味わう。
そのラストは、切なくも温かい。

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