◉用語解説


■聖魔大戦(主に先の大戦と呼ばれる)


 魔族の地上侵攻に対し、人類と亜人が団結して戦った大戦のこと。しかし魔族が優勢で、人類側は技術格差に劣勢を強いられていた。それを打開したのが、異世界からの漂流者――超空の神兵だった。



■超空の神兵


 第二次世界大戦末期 大日本帝國領の神威実カムイノミ島守備隊が、島ごと異世界に転移し、聖魔大戦の渦中に放り出されてしまう。様々な運命を辿り、帝國軍は人類と亜人に味方することに。そして連合の一員として戦うことになる。



■連合


 人類、エルフ、ドワーフ、獣族、そして地上に住む様々な種族が、魔族と戦うため結集した同盟連合。最初は凄惨たる劣勢だったが、新たに加わった帝國軍の零戦、疾風、新砲塔チハの活躍――そして『肉を切らせて、骨を断つ』という、この世界にはない帝國軍の戦法により、辛くも劣勢を打開。連合軍は勝利するのである。



■新連合


 戦後、亜人を除く人類のみで結集した同盟連合。列強国が基軸となり、再編成された組織である。その狙いは人類による地上統治であり、人類によって世界が運営される人類の世界だった。

 『亜人は魔族に内通していた』『彼等は裏切り者であり、彼等こそ真の敵である』『亜人は人にあらず』そういったプロパガンダを流し、人類 対 亜人という図式を組み上げていく。



■亜人連合


 新連合と戦うため、再結集した亜人の残党勢力。残党勢力といっても組織としては大規模で、その中に超空の神兵――帝國軍も組み込まれている。しかし帝國軍も先の大戦で、多くのガソリンと弾薬を消費しており、新連合に対抗できる戦力を有してはいなかった。

 彼等は人間でありながら、勝てないと分かっていながらも亜人に味方する。なぜ列強国からの誘いを断り、負ける勢力である亜人に加わったのか?彼等は帝國軍人である、もはや理由は語るまでもないだろう。



■神機


 本来ながら神々の使っていた、この世ならざる力を持つ武具。という意味で使われていた言葉だが、今では異世界から持ち込まれた兵器に当てられることが多くなった。車輌や銃火器だけではなく、無線機、ポケベル、スマホ、ホロシートなどもこれに該当する。



■魔装騎兵


 10メートルはある人造兵器。その巨体に似合わず動きは速い。全身を鎧で覆われており、矢や槍を退く。そして標準装備されている巨大なシールドは、砲撃魔法から身を守ることができる。

 列強国は、大日本帝國の兵器――戦車からヒントを受け、この人造兵器を製造したとされている。が、真相は不明。



■陸上自衛隊


 大日本帝國軍よりも先に、異世界に迷い込んでしまった日本の国防組織である。73式小型トラックや小銃は、その際に彼等と一緒に漂着したものだった。装備品から換算して、西暦1960年代の自衛隊と思われる。

 他にも陸上自衛隊に所属する、KV107IIバートルやシコルスキー S-61A、セルモーター修理のため訪れていた61式戦車などが、補給所ごと異世界へと転移。そして皮肉にも帝國軍同様、戦乱の堝へと引き釣りこまれていくのだった。


 ハイエルフは技術者を集めて、乗り捨てられた73式小型トラックを解析。そして独自の自走車輌を開発しようとした。だが道半ばにして頓挫。長年、故障した状態で洞窟に隠されていたのを、スチームクロウがレストア。走行可能な状態にまで修復され、魔装騎兵と追撃戦を繰り広げることになる。



■兵器廠


 魔装騎兵が製造されている自治領地域を指す言葉。主に小国そのものを列強国が買い取り、属国化。機密性保持のため閉鎖都市化の措置が取られている。飲食住には困らないが、市民は外界から隔絶されている。

 特例として、騎士や一部の貴族、戦術研究評価長は出国が可能。



■戦術研究評価長


ベルカなどの列強国が、それぞれの兵器廠――属国化した小国に使われて遣わす連絡員。魔装騎兵の品質管理だけでなく、情報漏えいを防ぐための口封じや、テストパイロットなども請け負っている。

 列強国の面々は、戦術研究評価長が裏切らないよう、階級に対して破格の報酬を与えている。そのためモチベーションが高く、多くの者が硬い忠誠を誓っている。



■ミュスティカ・ヒルシュ義勇旅団


 アンファング公国のギルドであり、常に弱き者と寄り添い、悪しきモノを葬る正義の旅団だった。しかし、軒下を貸して母屋を盗られる――前団長の死後、一人の少女によって旅団は乗っ取られてしまう。


 新生ミュスティカ・ヒルシュ義勇旅団 。表向きの評判は良いのだが、裏では様々な国の権力者と、夜な夜な親密な関係を結んでいた。


 旅団の域を越えた権力を手に入れ、野望成就へと歩みを進めていく。だがエルフの森で遭遇した、ベルカの新兵器――魔装騎兵によって現団長は死亡。他の者達も命を落とすか、行方不明になってしまう。ミュスティカ・ヒルシュ義勇旅団 は事実上、壊滅したのだった。


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