主人公あかりは、妊娠中の母親からいつも怒鳴られてばかり。お母さんのことを思って、家事とかを助けても、褒めても貰えない。「おかえり」という前に、家の用事を告げられます。
そんな苦しい中、慰めてくれるのは黒猫の黒助。
ところが、その黒助が道路を渡ろうとして、歩道橋の上からハラハラしていると、逆に落ちそうになってしまいます。
そこに助け(?)に来たのが、ミカエルと名乗る魔法使い。
彼は別世界の人間で、ドラゴンと戦った際に、自分の命をバラバラにされたこと、その命のカケラが、あかりの世界に飛び散ったことを説明します。しかもその命は、あかりのもとに集まりやすかったのです。
混乱しつつも、あかりはミカエルの命を探す手伝いをするのですが――ミカエルは、あかりにとある「嘘」をついていました。
17話あたりから、私はちょっと泣きそうになりました。
そして最後まで読んだ後に、「誰かのために動くのは難しいなあ」と思いました。
なぜあかりの元に命が集まりやすいのか? ミカエルがあかりについた「嘘」は? ぜひ、最後まで読んでください。
頑張って頑張って、本当は泣きたいけれど、健気に頑張っている少女が主人公の物語です。
自分さえ我慢すれば。これだけ頑張ればきっと周りは……そんな風に。けれどもあまり報われません。だからもっと頑張っている。
もしも誰かさんと似ているな、と思ったならば、この物語を紐解いてみて下さい。なにかヒントがあるかも知れない。見つからなくたって、きっと少しだけ肩の荷が降りるかも。
この物語は、当たり前に過ごしている日常を、読者へ「奇跡」として見せてくれます。生きている事、同じ時間に同じ世界で過ごせている事、大事な物を友達と分けっこする事、生きている事、死んでいく事……。
難しい大冒険!ではないので、お子様でも、ちょっぴりお疲れ気味の大人でもお楽しみいただけます。もちろん、元気いっぱいの大人も更に元気を貰える素敵なお話です。
不思議な魔法や、かっこいい魔法がいっぱい登場するんですよ!!
ちょっとヘンテコなモンスター(?)も、わきゃわきゃします!
可愛く健気な少女あかりと、お調子者の魔法使いミカの掛け合いはクスッと笑えてなんだか心が温まります。
この魔法使い、抜け目なくて、ちょっと意地悪で、口が悪くて、自分勝手です。でも、ズルいんです。読み進める内に、どんどん好きになってしまう!!
是非皆様も彼に夢中になって下さい。
おススメ致します。