うーむ、西部劇だ!

私は駅馬車もオレゴン魂も大好きですので、作者の意図通りに楽しめたと思います。

西部劇というのは一種の様式美にまでなっている、いわゆる完成されたジャンルなので、どうやってそれを日本の小説として再生させるかは結構難しいはずです。この作品の場合もそのハードルをやすやすと超えているとまでは言えないのですが、ただ主人公のキャラクターが非常によく書けていて、いわゆるマッチョではなく、日本的なセンチメンタルな部分を持っているところが読みやすく感じました。

銃撃戦のシーンは丁寧ですし、随所に格好いい表現があり、スピード感も後半まで落ちず、エンターテインメントとして厚みのある作品です。このジャンルにあまり詳しくなくても、西部劇ってどんなんだっけ、という好奇心があれば楽しめるのではないでしょうか。

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