第7話罪を背負って…
お母さんのお伽話は終わった。
久々に聞いたお伽話…何回聞いてもグッとくる悲しみやその後どうなったかが知りたくなる。
ただお母さんに聞いてもその後はわからないと毎回言って聞かされた。
夕飯を食べて私は家に帰った。
お父さんが珍しく送ってくれると言ったので甘えて車で送って貰う。
車の中…
家に向かう海沿いの帰り道、お父さんが珍しく
(あの続きが知りたいか?)
急に聞かれてびっくりした私、でも小さい頃から気になってたので私は静かに頷く。
それを見たお父さんは静かに話してくれた。
(その話に出て来た彼女はなちゃんと生きてるよ。
本当は罪を裁かれ死ぬ予定だったんだがあの歌の後でな聞いてた人たちから手紙やらなんやらがきたのと、そん時にいた看守や工場で働いてるメンバーや周からも頭下げられた上層部が折れてな、元々危険性もなかったし彼女も一種の被害者と判断されて死刑は無くなった。
ただ、彼女がやった事はこの世ではいけないことだ、だから彼女はいつ死ぬかも誰もわからないし、捕まってた時の番号はまだついてる。
多分髪は染めて、目はカラコン入れれば気づかれることないだろう…問題の体温に関しては誰にもどうにもできないが彼女が人の暖かさを知る前に比べれば大丈夫って言ってたかな、
彼女は間違いなく今は幸せに生きてるよ。)
最後の方お父さんが何を言ってるのかはあまりわからなかったけど生きてたならよかった。
私はその話を聞いて安心した。
生きてるのなら一度は会って見たいなと思いつつ、ただお母さんが作ったお伽話だしなぁと彼女が本当に入るのか半信半疑の気持ちになっている時家に着いた。
お父さんとバイバイして私は自宅でお風呂に入り、明日も仕事の為早めに眠りについた…
(あいつ話したの怒るかな〜)
煙草を吸いながら運転して帰る父
家に着き、玄関を開くと待っていた彼女
(ただいま)
彼女は嬉しそうに抱きつきながらおかえりと言う。
(はしゃぎすぎると傷見えるぞ?)
左肩に見える0と書かれた数字となれた彼女の体温に少し昔を思い出しながら彼女に言った。
(罪を背負い、ともに生きていこう。)
彼女は少し困惑したがすぐに理解をしてくれたらしく
(人の暖かさを教えてくれてありがとう。
これからもよろしくね!)
彼女は満面の笑みで笑った。
あの時の笑顔と変わんねーや、など思いながらも少し若く見える彼女にベタ惚れな父であった。
(こちらこそ)
御伽話 彗星 @Marlbmro
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