隣人の肩に見えないはずの手… あなたなら教えてあげますか?

不気味な噂が絶えない街、日岸町。
この街の古いアパートに住む「イシイ」に襲い掛かる、戦慄の体験談。

隣人の肩に見える、見えないはずの手。深夜の物音。不可解な夢。非日常な恐怖に加え、悲惨な過去、街で起きたとある事件、アパートに忍び寄る謎の人影、知りたくなかった事実など、現実での出来事がイシイの精神を追い詰めていく。
そしてこれらの要素が一本の線に繋がり、そこに生まれた新たな謎が更に恐怖を加速させていく…。
洗練された構成によって、まるであやとりのように形を変える「恐怖の糸」。
次第に肥大していく霊的現象と共に、隣人女性との関係性が変化していくのも見所。
怪奇だけに焦点を置かず、これまでの自分と決別する為に恐怖に抗おうとする男の姿を描いている点も欠かせない。

度胸のある方は「付記 日岸町奇報」も是非見て頂きたい。
深夜に1人で読む事を躊躇ってしまうほどの恐怖に挑戦してみて下さい。

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