書籍化出版された『ドルフィン・デイズ!』を先に拝読し、その後こちらを拝見させていただきました。
同じところ、違うところ。
なるほどこんな変化があったのか。
新キャラクターの追加で、ただ職場とのやり取りだけではなく、水族館のお客さんとの繋がりまで深められたことで、やはり出版されるとこんな化学変化が行われるのかという勉強にもなりました。
どちらを先に読むかはそれぞれですが、こうやって読み比べができる幸せを堪能させていただきました。
そして実は書籍でも涙ぐみ、こちらの方でもうるっとくる感動作。
わかっていてもやっぱりグッとくるところはグッとくるのです。
違いを楽しんでいただければと思います。
誰もがなんとなく知ってはいるけど、具体的には何も知らない。
そんな「ドルフィントレーナー」という仕事を題材にしているのがこの作品です。
海の描写がとても綺麗で、読んでいるだけで水に揺られるような感覚になります。
爽やかな(でもちょっと偏屈なところもある)主人公が、様々な人(とイルカ)と触れ合いながら、成長していく。
やはり成長するキャラクターというのは好感を抱かざるを得ません。
そして、ここからは書籍版の『ドルフィン・デイズ』について。
(こちらのカクヨム版は少し前に読ませていただいていたのですが、今回改めて書籍版も読んだので、そちらについても少しだけ触れます。)
大まかなストーリーラインはもちろん変わらないのですが、やはり編集者の手が入ったからか、全体的にスラスラと読みやすくなっています。
読みやすいというのは、つまり没入感の向上に他ならず、さらにはちょっとした追加キャラクターもいて、それがまたラストの感動を後押しします。
カクヨム版を読んだ方にも、書籍版はオススメです!
自分は書籍版でもまた泣かされました。(笑)
書籍化してすぐに購入しました。
読み手もともに物語の海に深く潜り、水圧とともに水面が近づき、景色が一転し青空に放たれる——カクヨムで初読のときは、想像を超えたスケールで詰め込まれたエンターテイメントに夢中になりました。
加筆され書籍化した『ドルフィン・デイズ!』は、新しい○○○も登場し、より多角的な目線で、鮮やかかつ味わい深い作品になっています。
改稿前であるこのBlind Blueの題名も、わたしには捨てがたく……もとの形をこうして残していただいて、ありがたいです。あらけずりな勢いも、この作品においてはモラトリアムと勢いと爽快さが際立つ方に働いていて、非常に魅力的です。