結末を知ってから、読み直すと面白いです。なるほどなと思います。できることなら少女たちの告白をよく注意して読みましょう。
登場する少女……『天使』たちの潔癖感が、時代は違っても普遍的な10代らしく、その一人一人を通して語られる事件は、個々の視点により姿を変える。そして、物語は意外な着地を迎えます。何となく、万華鏡を…続きを読む
今はもう使われなくなった礼拝堂に集うとき、少女たちはガブリエル、ウリエル、ラファエル、ミカエルと呼び合い、古びた長椅子に並んで腰掛けて、秘密の罪を打ち明け合う。大正時代、山の上の女学校、彼女…続きを読む
大正時代。山の上の女学校の、取り壊し寸前の礼拝堂。お互いをガブリエル、ウリエルと呼び合う少女たちは主張する。先生は、サラ様は、私が殺したの。本当よ?シチュエーションが素敵。朽ちかけた礼拝堂…続きを読む
サラ先生の死をきっかけに、少女たちが隠された彼女への想いを背徳的な可愛さを交えて明らかにしていきます。上品でおしとやかでありながら、どこか悪戯っぽく過激な天使たちの語り口が魅力的です。
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