「九年後」の方が面白い

 「職員会議」の章は非常に構成が整っていて、学校の職員会議を題材にしてうまくストーリーが組み立てられている。なかなか面白く、情報小説としても私小説としてもよかった。
 しかし、本当に筒美君が本領を発揮しているのは、まだ連載中だが「九年後」の章だと思う。この章も確かに情報小説でもあるのだが、私小説的な部分がより前面に出てくる。夢や幻を使って作者の異様な情念がぶちまけられ、迫力がある。

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