図書委員の待ち人

作者 ゆずりは

57

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★★★ Excellent!!!

読書の秋、放課後の図書室、眠っている憧れの人と2人きり。
淀みのない文章で描き出されるワンシーンに、ドキドキした。

過不足のない情報量が読者に想像の余地を残しつつ、
「私」と先輩の人物像を的確に浮かび上がらせる。

丁寧、王道、ずるい──既出のレビューにあるとおりだ。
「ああ、こういうの、本当にいいなぁ」と素直に思った。

★★★ Excellent!!!

本当に『ずるい』と思ってしまう一作。(勿論いい意味で)
図書委員の美弥子の気になる人は図書室常連の先輩。
彼には恋人がいるようで、美弥子は気付き始めた想いに鍵をかけて見ないようにしてきたのに……?

まずこの先輩がずるい。
優しく笑って、選ばせながら自分に引き込む。
そのずるさがカッコ良くて、そこがまたずるい(笑)。

もう一つは丁寧に綴られるその文体。
何となくで読み始めたはずが繊細かつくどくない綺麗な文体で綴られる描写が頭の中に自然と浮かび、スルッと滑るように話に引き込まれる。
鮮やかなのにどこか冷静さを感じさせる綴りが感情や体感まで思い浮かばせ、気付けばこっちまで緊張で呼吸が浅くなっていて(笑)。
でもその綺麗さや先輩のずるさを、美弥子の純情さや恥ずかしがり屋な仕草が緩和させて和ませてくれて、ただ綺麗なだけで終わらない。
キャラクターもストーリーも描写も流れも、全てにおいて憧れる一作です。

★★★ Excellent!!!

内容は、高校生の恋物語ということもあり、胸が高鳴る愛らしいお話。

目を見張るのは、その可憐で、純粋で、そしてキザな二人の恋心理を、的確に表現している文章だと思います。

「優しい雨のような」

この表現が、個人的に強く記憶に残っております。

甘いだけでなく、酸味も感じられる文章の味付けに、すっかり虜になってしまいました。


素敵な物語をありがとうございます。


にぎた

★★★ Excellent!!!

少し引っ込み思案なのかなと思わせる少女と、その想い人。
強がっているけれど、実は興味アリアリな様子が読み取れてとても微笑ましくもあり初々しいと感じました。
恥ずかしがり屋さんにぴったりの、とても可愛いラストに思わず身悶えしそうになります。
何だか忘れていた感情を思い出させてくれた素敵な作品です。
ご一読あれ。

★★★ Excellent!!!

ネタバレを含みます。ご注意ください。

こんなことってあるの?って思うくらいの展開で、さらりと男子が主人公の心を射止めます。こんなことが実際にあったら、とつい思ってしまう展開です。男子が女子を魅了するような形ですが、果たしてこれからどんな恋愛になるのか楽しみですね。

★★★ Excellent!!!

今回は短編である。キャラクターで魅せるゆずりは不利な条件かと思いきや、見事にやってくれた。放課後の図書室でのワンシーンで、丁寧に言葉を選んで心理描写を積み重ねていく。結果描き出されたキャラクターは、やはり可愛かった。
小説ってこう書くんだなあと思わせる珠玉の一編。