閉室間近の図書室で、気になる先輩と二人きり。しかも、先輩は無防備に寝ていて。先輩の挙動が美祢子の本心を表へ引き出していく、そのやり取りが好きですね。
読書の秋、放課後の図書室、眠っている憧れの人と2人きり。淀みのない文章で描き出されるワンシーンに、ドキドキした。過不足のない情報量が読者に想像の余地を残しつつ、「私」と先輩の人物像を的確に浮かび上がらせる。丁寧、王道、ずるい──既出のレビューにあるとおりだ。「ああ、こういうの、本当にいいなぁ」と素直に思った。
内容は、高校生の恋物語ということもあり、胸が高鳴る愛らしいお話。目を見張るのは、その可憐で、純粋で、そしてキザな二人の恋心理を、的確に表現している文章だと思います。「優しい雨のような」この表現が、個人的に強く記憶に残っております。甘いだけでなく、酸味も感じられる文章の味付けに、すっかり虜になってしまいました。素敵な物語をありがとうございます。にぎた
静かな図書室の中、丁寧な情景描写で紡がれる微笑ましくもあたたかな恋の始まりの物語。とても綺麗な作品です。
少し引っ込み思案なのかなと思わせる少女と、その想い人。強がっているけれど、実は興味アリアリな様子が読み取れてとても微笑ましくもあり初々しいと感じました。恥ずかしがり屋さんにぴったりの、とても可愛いラストに思わず身悶えしそうになります。何だか忘れていた感情を思い出させてくれた素敵な作品です。ご一読あれ。
ネタバレを含みます。ご注意ください。こんなことってあるの?って思うくらいの展開で、さらりと男子が主人公の心を射止めます。こんなことが実際にあったら、とつい思ってしまう展開です。男子が女子を魅了するような形ですが、果たしてこれからどんな恋愛になるのか楽しみですね。
先輩好きです。ツボです。なにもかも。
今回は短編である。キャラクターで魅せるゆずりは不利な条件かと思いきや、見事にやってくれた。放課後の図書室でのワンシーンで、丁寧に言葉を選んで心理描写を積み重ねていく。結果描き出されたキャラクターは、やはり可愛かった。小説ってこう書くんだなあと思わせる珠玉の一編。