正義を求める悪の奮闘。これぞダークファンタジー。



 最初からキャラ崩壊することの無い主人公と、変わりゆく登場キャラ達。そこに〝仲間〟という言葉を使えないところが、この物語の面白さを際立てています。

 見るものは、現れるものは、その全てが敵だ!誰も信じることはできない。

 分け隔てなく利用し、裏切り、殺し、拷問し、救う。誰かを救いたいと心の奥底に思う主人公が、ひたすらに裏社会で奮闘する物語。

 いつでも存在する緊迫感と、誰が裏切り、どう動き、どう操っていくのか。読みながら考えるだけで面白く、それでいてたどり着く先にハッピーエンドは存在しないのですからさらに面白いです。

 泥臭く醜くも死に抗い続ける少年の、悪魔な奮闘が素晴らしい描写とともに綴られていました。そんな中でも成長していく少年の姿は、どこかカッコイイ気もしました。

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