堕落と再生の物語

画家が見つけた一人の女性は、夫も子もいる中年の主婦で、ヌードモデルはおろか夫以外に裸を晒したことすらない。そんな彼女がいかにして裸になって、何を失って何を得るのかの物語です。

登場人物たちがとにかく真面目で、それゆえに繊細で傷つきやすいのです。モデルと画家として、あるいは一夜の男女として(?)割り切れるほど強くもありません。日常からの痛々しいまでの逸脱、堕落、そして再生を描いた、とても真摯な物語だと感じました。

ヌードモデルを題材とした物語には個人的に強い関心があり、なにかにつけては書いてみたり探して読んでみたりしていますが、このような切り口で最後まで大真面目に書ききった作品は初めてでした。良い物語をありがとうございました。

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