わたしは心臓。あなたは静脈。一人称でたんたんと描かれる心臓と静脈の関係は、ただそれだけの内容ではなく、きっとそれ以上の何かを謳っているのだと思います。じゃあ、それは何か?作者様のお言葉を借りると、「なんでもよい」。読者それぞれの抱えたストレスが、ピッタリとハマるのだと思います。たぶん。にぎた
どこか歪な感じのする恋人(?)達の話。だけどそれなりに感じる幸福感。
心臓と静脈の恋、しかも女性(心臓)の為に男性(静脈)がせっせと働いている…、最近の男女関係における恋愛事情も、見事に風刺しているように感じました(笑)それにしても、肝心の「外の人」に恋人がいなかったら…と、思わずにはいられない作品でした。面白かったです!
人の体内の循環をそのまま恋愛に当てはめていくセンス、表現力がすごい。新しい発想ですな。
まるで、ハルムスの狂気が乗り移ったかのような、恐怖にあふれた作品。ハルムスは『空色のノート10番』で知られるロシアの作家です。 その題名に反して、ちっともすがすがしくないロシア作家です。 しかも『10番』って言ってるのに、他に番号のついた作品がなかったと思います。 その『空色のノート10番』に、この作品は似ているのだ。
いろんな意味で。いい作品です。一見ロマンチックですが、私はそうは読みませんでした。文字だけで表現する小説ですから。
擬人化の話はよくありますが、これは人の体の一部を人に例えて話を進めています。当たり前は当たり前じゃない、ということを再確認させてくれる話でした。非常に好みの物語ですね!次の物語にも期待して、星3つ送らせて頂きます。追記:タイトルはまた他の所でも使えそうな掛詞ですね、需要がありそうです。