絶対に分かり合えないけども、だからこそ進んでいける道がある
- ★★★ Excellent!!!
一緒に音楽をやっても、絶対に分かり合えない。
ひとには、どんなに歩み寄ろうが壊せない壁というのがあります。
たとえばエンジョイ勢とガチ勢だとか、恋する相手とか、そもそもの恋愛対象だとか、神様を信じるか信じないか、とか。
それがどんなに親しい相手でも……たとえ古くからの付き合いでも、ずっと一緒にくっついてる親友だとしても、そういう『分かり合えないこと』というのは時として存在してしまう。
それでも……いや、それがあるからこそ、紡げる音が、言葉が、物語がある。
それぞれの登場人物が持ち合わせている、分かり合えないという残酷な現実。
その現実を、彼ら彼女らは真正面から受け止めた上で、出来うる限りやさしい結末へと進んでいきます。
もちろん合唱部を舞台とした小説。演奏描写もかなりのものです。文字からもステージの熱気が伝わってきます。
不器用ながらも互いに歩み寄り、奇跡的なバランスを保って進んでいく青春を、ぜひ。