楽器初心者、音楽初心者の湊鍵太郎。先輩の圧力によって半ば強引に入部させられた吹奏楽部は見事に女子ばかり。
しかし、男子にとって夢のハーレム生活は残念ながら始まりません。3年間に渡る苦難の始まり……いや、飛び切り濃度の濃い、青春の旅路の始まりだったのです。
大きく物語が動き出すのは1年生のコンクール。ここから彼はたくさんの挫折や苦難を経験します。
それに対して、大した才能もない彼は……周りのひとの力を借りて、言葉をモノにして、時には対立もしながらも成長していきます。
そして、結構な吹奏楽あるあるがこの小説には散りばめられています。
例えば……数少ない男子部員は漏れなく女子の尻に敷かれますが、しかし何だかんだで信頼された上で役職についていたり。
あとはプリクラに強制連行されたりだとか、演奏会で何かやらされたりだとか……。
僕、すべて経験済みです。
いじられキャラになってましたが、なぜか副部長になってました。
プリクラ強制連行されました。
演奏会、踊ったりコスプレしたり叫んだりしました。
と、まあ、それはさておき……。
この小説、6年半にわたる長期連載作品です。他サイトの方で完結しております。
青春の短くも長い旅路の果て、最後に彼が到達する場所を一緒に見に行きませんか?
……あ!!!
鍵太郎、物語中でめっちゃフラグ立てるけどさ!!!!!!
一応勘違いしないように言っておくけど普通の吹奏楽部男子はあんなにフラグ乱立しないからな!!!!!!
僕は皆無だったよそういうのはさ!!!!!!
足の故障で野球を断念した湊鍵太郎は、高校入学の日、吹奏楽部の新歓コンサートを聴く。綺麗な先輩たちに釣られて吹奏楽部に入部した鍵太郎だったが、そこは女性社会のスパルタ特訓地獄だった。初心者の少年と変人ばかりな先輩たちが紡ぐ吹奏楽の世界が甘酸っぱい青春に満ち溢れていました。
鍵太郎以外はほとんど女の子ばかりで、これはハーレムか?と思いきや、男子は奴隷。男子の意見は通らない。楽器運びや力仕事は丸投げ、なにか失礼があればすぐに女性陣の噂になる。そして想像以上に体育会系な吹奏楽部の実情に夢を壊されます。
けれど先輩たちがそれぞれ魅力的です。天然でおっとりした先輩、テンションが高い先輩や、知的でクールな先輩、頼りになるのかならないのかわからない男の先輩もいれば、鍵太郎と同じ新入生組も個性的なメンバーが揃っていて賑やかで飽きさせない。
マウスピースを咥えて音を出すことすら初めての鍵太郎にとって吹奏楽の練習は苦難の連続だけれど、先輩たちは厳しくも優しい。部長で巨乳美少女の春日美里につきっきりの演奏指導を受けて、次第に距離が縮まっていく姿がとても羨ましい!
自分の新たな生きがいを見つけ、先輩たちの演奏を追って駆け出した鍵太郎の姿が胸を熱くさせます。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)