戦前のような、かなり古い時代に設定されているのが雰囲気があって良かったです。果たして姉は人魚になったのか。その部分が定かでない点も余韻が残って良いと思います。素敵なお話でした。
絵を描いたり小説を書いたり日本酒を飲んだり
人魚の姿に魅入られた姉。その狂った目にうつるものを周囲に、主人公に垣間見させて、ついに……。重く狂おしい夢を思わせる怪異譚。
懐かしい世界観と優しい語り口で、物悲しさを引き出しています。 いたずらに恐怖心を煽るのではなく、人の情の部分にうったえる手法はこの著者の作品における最大の特長だと思います。 限りなく現実に…続きを読む
今より少し遡った、童話の「人魚姫」がまだ浸透していない時代。陳腐化した「すてきなおひめさま」の人魚ではなく、「異国の未知なる幻想」たる人魚の美しさ、恐ろしさがとっくりと味わえる一品。
それは本当にあった話なのか……。 昔語りの口調と少し古い感じの時代設定が、奇妙な話に更に独特な雰囲気を与えています。 余韻の残るラストもいい。
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