夫となる少女。妻となる少年。この先を期待させる、幻想的な物語。

想像を否応なく掻き立てる繊細な筆致で、夫婦となるべき運命を負った二つの部族の少女と少年を美しく描き出す、幻想的な物語です。

部族の言い伝えに従い、女として生まれながら「夫」として結婚する13歳の少女と、男でありながら「妻」として嫁ぐ18歳の少年。
まだ幼い中に凛とした強さと明るさを持つ少女と、わずかに目元しか伺えない衣装に包まれながら、どこか妖艶な美しさを放つ少年。滑らかな文章運びで描かれる美しい世界に、有無を言わせず引き込んでいきます。

まだ物語は始まったばかりですが、これからの展開を大きく期待せずにいられない、ぞくぞくとするような不思議な魅力に溢れた作品です。