あとがき
裏設定?
裏設定と言えば聞こえはいいが、実際はどうしても物語にできなかった設定の残骸が埋まってるだけのちんけな書きなぐりです。本当は、本当に、うまくこういうのお話に盛り込みたカッタ……という見苦しい遠吠えとも言う。
1.タタリ神について……怖いだけでなく、正しく祀れば強力な加護があるからこそのタタリ神。怒らせたらこんなことが起きるというのは、逆説的に、平時のこの村がいかに豊かなのかが伺える。
タタリが始まればどうあがいても絶望であったように、正しく祀られている環境においては、温泉湧くわ人形で金儲けできるわ本も読めるわと至れり尽くせり。また後述のように、村の運命の全てにも関わっている。
2.スミレについて……村の人形稼業が時代遅れになる前に、内部に変革を起こすために生まれた特殊な存在。迷信深い村の決まりや伝統を変えていくためには彼女くらいの強引さと我の強さが必要だったのだ。だが、それだけの反骨心を、スミレ自身が「村の未来のため」に使うのにはどうしても大きなキッカケが必要だった。
つまりはそれがヤキチの惨殺であり、この計画が最悪の形で狂ったものが、結果的にタタリとなった。
3.ヤキチについて……ただスミレに殺されて村の未来の為の礎になるはずだったという、ある意味で最も可哀想な少年。結果的には一番マシな死に方をしたけど。ちなみに彼の霊感は、死という役目をタタリ神に背負わされたことによる副作用みたいなもの。髪の短い女の子の夢(どこにかえる、一参照)は、ちょうどその時期にチユリが蛙石にヒビを入れたということ。
ヤキチは本編ではやたらと悪く書かれているが、それは思春期前の女の子から見て、思春期真っ盛りの男の子というのはそれだけ気持ち悪く見えたという話であり、彼自身はいたって平凡で健康的な反抗期の少年である。
4.コハクマルについて……タタリがあろうがなかろうが、彼自身がオオヌマの村にたどり着くのは必然の結果。村に子どもたちがおり、かつ、スミレを食って人の味を覚えた熊がいなければ、クニミツさん共々仲良く村に定住していただろう。
つまり彼は、ヤキチの代わりにチユリの結婚相手となるはずだったチユリの運命の相手ということ。どんな未来であれ、二人は惹かれ合う
彼の存在と、そしてヤキチの死を巡って、チユリとスミレの間で大喧嘩が起こり、結局ヤキチの亡霊(比喩です)に苛まれていたスミレの心が折れて、改心する……というのが、この村の本来の筋書きであった。
たくましく成長した彼がスミレ(チユリ)に会いに来たとき、そこで何を見るかは……想像におまかせします。
5.クマについて……当然、タタリ神が呼んできた存在。こんな熊が日本にいてたまるか! いや、北海道にならいないこたないらしいけど……ごめんなさい、あんまり深く考えてません。正直、この物語の中で一番ファンタジーな存在。いや、クニミツさんとどっこいどっこいか。
タタリの子……おまけ 小村ユキチ @sitaukehokuro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます