悪の転生

作者 小村ユキチ

7

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★★★ Excellent!!!

スプラッター小説とは、殺害シーンに強烈な残虐性を描写する小説の事である。

僕は結構、スプラッター映画が好きだ。登場人物達がどこでどんな殺され方をするのか、ドキドキわくわくする。あの感じが堪らない。

そして僕は、ファンタジー映画が好きだ。魔法があって、不思議な世界が広がっていて、正義の味方が悪に立ち向かう。知恵と勇気を振り絞り、絶体絶命を覆す。単純に、そういうのは見ていて楽しい。

この小説は、そんな僕のスプラッター欲とファンタジー欲を、文字だけで満たしてくれた。

考えてみれば、あり得ない結合のように思える。スプラッターとファンタジーなんて。水と油。油田と公衆便所。石油王とホームレス。でも、読めば分かる。そんな二つの物語が解け合って、一つの作品を作り上げているから。

ああ、良い物が読めた。悪の方に感情移入する感じ。堪らない。。

★★ Very Good!!

ダンジョンで遭遇したのは、ダンジョンマスターの転生者。魔王を倒したパーティの仲間達が、たった一人の男にさらわれ、壊され、嬲られ、殺されていく。
死線をくぐり抜けてきたはずの彼らは、正面からぶつけられる「悪意」を知らなかった。

恐くて怖くて痛くてつらい。登場人物たちの恐怖に震える気持ちが文字から伝わってくる。これ以上痛い思いをしたくないという恐怖。あんな風になりたくないという恐怖。大切に思っている人を守れない恐怖。失う恐怖。

正しく「異世界ファンタジー」で「転生」で「チート」で「俺Tueee」で「ダンジョン運営」である。ただし、主人公たちは、蹂躙される側だ。