怖いだけじゃなくて、悲しかったりする

心霊現象にまつわるエッセイ。筆者本人の体験からえがかれている。
心霊現象と聞くと、ついホラーを連想しがちな人も多いのではないか。
けれど本作で描かれているのは、もっと冷静な考察である。

私がこのエッセイを読み、自らの考えを改めようと思ったのは、心霊現象=怖い、という図式。
もし人の霊魂が、何か我々にメッセージを残そうとしているのであれば、と仮定する。そうすると恐ろしいよりも、悲しかったり、ほんのり暖かかったり、そんな気持ちが強くなる。
そして、結局一番恐ろしいのは、生きてる人間なのじゃないか……。
そんなことを考えながら読んだ。

心霊現象だけでなく、人間そのものについても考えるきっかけになる良作です。

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