バレンタインにぴったりの、ショートショート小説。過不足のない、シンプルで、とてもあたたかい――読んでよかったと思える小説でした。
黒澤伊織です。旧ペンネームは山野ねこ。出版するときに、なんか作品とそぐわない名前だったので、重めの名前に変えました。 作風としては、社会派の小説が多いです。…
行間に物語があることを教えてくれる、そんな作品です。
待ち侘びた便りから零れ落ちるのは、互いを想い合うこころ。さらさらと、砂漠の砂のように、それは尽きることもなく。愛情と、心細さと、帰還への祈り。短い文章のなかに、それらが溢れています。
楽しげな歌も、スイーツも、嬉しい。けれどもこれは、深く、切なく愛の伝わるプレゼント。こんな愛の伝え方もあるんですね。ラスト一行で、あたたかく静かな感動に包まれました。
もっと見る