君の気持ちに気付けなくて
@kankeri151
第1話 部活動
桜も舞うこの季節、俺は新しい一年を踏み出そうとしていた。
桜は舞うが、まだ4月ではない。
三月の前半に大学にいるのだ。
それは単位とか、講義とかそういう理由では無い。
部活動で来ていたのだった。
俺は学生で、名前は西垣優人。花山工科大学に通う大学2年だ。
自宅から片道二時間かけて登校している。
今年は2015年だ。
で、今は2015年3月13日だ。
本当は大学は先月に休みに入っている。
普通なら有り得ない光景である。
だが、部活動であれば、仕方がない。
それに、文化部でもなく、運動部である。
部活の名前は、洋弓部。
世間的に言うと、アーチェリー部である。
今日はそのアーチェリー部での、練習である。
そして、今月末にはリーグ戦がある。
リーグ戦とは大学対抗の試合である。
リーグ戦には所属している部がある。
我々は4部に所属している。
去年、我々は3部から最下部である4部に降格してしまった。
その理由として人数が足らなかったからというのと、実力が足らなかったからである。
特に後者の影響が大きい。
そういうこともあり、今年度はなんとしても昇格を目指しているのだ。
というか、せねばならない状況下である。
今回の試合は俺ら三年生としては実質最後となる。
四年になれば就活で忙しくなるだろうし、そんな練習する時間などなくなる。
研究をしっかりやって、就活を終わらせられれば余裕はできるが、早くからそれを成し遂げる人はいないだろう。
俺らは今、練習中で弓を売ってる最中であった。
「12エンド目!いくぞ!はじめ!ファイト!」
俺は打ち始めの掛け声を部員に対して掛け、後に続く掛け声を最後に打ち始めた。
指はタブという、道具で守られており、革で出来ている。
タブを装備して弓を引く。
弓を引く際も身体の軸を意識して引くことが重要だ。
最初は腕の力のみで引こうとしてしまうのが普通である。
だが、しっかり練習することで、ちゃんとした引き方で引くことができる。
射つ時も前方の安全を第1に考えなければならない。
射つ時は前に人がいないかを確認し打ち始める。
これで死傷者がでたことはないが、ある事件で一時的には活動禁止となったことがあった。
それについてはここでは言わないが、安全には気をつけている。
「矢取り!コール!」
俺はこう叫ぶと、部員が掛け声を始める。終わったあとに矢取りをするが、この際にコールという、一斉の掛け声をするのだ。
中にはそれがめんどくさいという人や、そもそもコールをしない人、話しながら行く人、などがいる。
団体として、まとまってないのが現状である。
俺は現在であれば、部のトップの方にはいる。
一応副将がいるが、俺は先輩であり、一応主務という広報系の仕事を担っている。
これは、1年の後期から任されている。
理由として、先輩が1人しかいないためである。
その理由は伏せておこう。
で、今のトップの理由として、主将はどうしたのか、彼は中々部活にこないのだ。
困っている。
なにか忙しいのだろうが、大体遅れてくるのである。
今日もあの後、遅れてきた。
理由は毎回、寝坊した、である。
今年度は部の昇格が目的だ。それは変わらない。
それを、決意とし、部の練習を終えた。
「はぁ〜疲れたぁ〜帰ってゆっくり休むかぁ〜」
俺は背伸びをしながら芝生に寝転んだ。
実は今日は、晴天日よりである。
とても気持ちがよく、寝転ぶと寝てしまいそうだ。
三月で段々暖かくなってきているが、三月の始めとなるとまだ暖かくならない。
「西垣先輩、これから昼飯どうっすか?」
「お、有馬。食べるか!俺も腹減ってたよ。」
「じゃあ2食にいきましょう。」
2食、それは大学の食堂である。
食堂は1食、2食、3食、4食とある。別でマクドナルドや外食の店などかある。
その中で、2食は休日でもやっている。
なぜかと言うと、部活動の学生がいるからだ。
かなり優遇されているが、優遇されてるのはそれだけである。
部室棟はボロボロの建物で、ひび割れが目立つ。
結構前に改装されたらしいが、それでもボロボロである。
「何を食おうかな。」
「先輩、俺これにしますよ。」
「そうだな。今日はBランにしよう。」
BランとはBランチの略である。結構量があって食べがいがある。
俺と有馬は食券を買ってお盆を持って列に並んだ。
ここの食堂はお盆をとって並んで食券をオバチャンに渡して食事を取っていく形である。
席に付いてお互い、椅子に座る。
「いただきます」
俺は手を合わせて言った。
その後に有馬も食べ始めた。
周りには別の部活出来ている学生ばかりである。
中には教授と見られる人もいた。
目の前で一緒に食べているのは、我が部の後輩である有馬公平である。有馬という苗字はとても苗字には見えず、珍しい。
一つしたの後輩だ。
俺が21だから、彼は20だ。
有馬は高校からアーチェリーをやっていて、経験者だ。
俺はよく、彼と絡む。
彼はまず、俺に対して批判的な意見を言わない。
何も言わないのに対してちょっと困ってる。
その他の部員は言うことを言ってくれるが、限度というものを知らない。
全員の不満を聞いてやることなんかできない。
だが、そのうち彼らもそうなるだろう。
今の1年の彼らは元々10人くらいの人数だった。
今は6人になってしまっている。
何故かといと、色んないざこざがあったためである。
去年は本当にいやな年だったと思う。
なんで、俺がこんな思いをしなきゃならないのかと、疑問に思うほどであった。
同期は失踪している主将を除き、自分合わせて2人である。
もう1人はやけにポジティブ思考のやつだ。
たまにネガティブになるぐらい。
ごく普通と言ってもいい。
ネガティブになった後は必ずポジティブになるやつだ。
そんなこんなあって、現部員のみで部活を動かしている。
俺は主務であるため、上の先輩からどうなってるんだ、叱られることもある。
だが、それはたまに。
特に新歓、追いコンの時にある。
こんな時にそんな話をしないで欲しい、というのが本当の気持ちだが、先輩であり、そんなことは口が避けてもいえなかった。
昼食を食べ終わるとお盆を片付け、2人で部室へ帰った。
そこで、次の新入部員はどうするか、練習はどうするか、を話し合っていた。
彼ら主導でやっていて、かつ人数も多いことからやってくれると信じている。
「じゃあ、藤田。これはどう?」
「ん〜これじゃぁなんか部に出ない人が出てきそうな気がするんだけど···」
「そっか、じゃぁこれは没」
「いや、ボツにしなくてもいいんじゃない?もう少し面白みのある練習とかにすれば」
「じゃぁ、案として何かある?」
「いや、そういわれると、どうかなぁ。」
この会議を進行しているのは、現在副将である、野中くんである。
12月に新年度の役職が決まり、かなり責任を持ってやっている。
先輩として、とても関心できる。
今はまだ3月の中旬だが、早々と新入部員を呼び込むための案を試行錯誤していた。
この部に入ってくるのはアーチェリーに興味がある人、アーチェリーをやっていた人が含まれる。
とても限定的だが、そういう人が入ってきている。
後輩たちは全員で話し合いをしていて、俺は蚊帳の外であった。
先輩として信用がないのだろうか、このまま信用がなければ卒業後、彼らに恩を返す義理はない。
俺は帰りながらそう考えていた。
この時から、こんな部活楽しくない、と非常に強く考えるようになった。
君の気持ちに気付けなくて @kankeri151
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