寿司詰め物語

芳賀 概夢@コミカライズ連載中

鮨詰めの仲

 シラコったら、全身のコハダをマっグロに焼きタイからって、イクラなんでもやりすぎ。それでイカしていると思ってる? え? なによ。頬をフグれさせて「マダイいじゃない」じゃないよ? イイダコみたいにアカミが酷いし、ムラサキになっているところもあるじゃない。カレイに嫌われるよ。え? 「アカガイみたいにかわいい」って言ってくれる?……それ違う! ……なによ? 「タマゴも恋人を一念ホッキしてオツクリ」って? 「アナゴにいれるとキモちいい」? あのね、あんたみたいにサバよんでハラミ行為を平気にできるほどアっサリしたヤリイカじゃないの! 「ワーサビしい」だと!? そんなのホっタテ! ――っタク。イワシておけば好き勝手言って。彼の前だとブリっ子よね。ハタハタあんたには呆れたよ。本当にあんた、エビー型だ。サーモンだい発言してないで帰ろう! ホヤ、トロとろしてないで。……でも、クルマ、マダコないね。マア、ジゃぁ、もう少し待ってるカ、ジキに来る……あ! あのシャコで待っているの、あんたのカニのスズキさんじゃない? ホラ、あのグンカンの絵の上着に、頭にマキモノをつけた男の人。……え? なに? ぶツブつ言って……彼の迎えが遅かったって? ア、ワビ入れさせるの? ウニ~ってしてもらう? はいはい。聞いているだけでゲソりよ。あんたとエンガワ切りたいわ。あんたとつきあわなければ私の人気もウナギのぼりね。「そんなことない!」って? カンパチいれずに突っこんできたわね。むかつくわね! 本当にあんたがもてるのナットウくいかないわ、マグタク! ……なによ? 「タマゴのことが好き」って……はいはい。アガリと!  わたしも、シラコのこと嫌いじゃないわよ、もう!

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