ふうん、と答えたカラスの思いが、冷たい情景と乾いた文章の行間に、ほんのりとぬくもりを垣間見せているようです。どこか終末感の漂う世界なのに、ユーモラスで温かく、詩的でもあります。間の取り方、会話のさりげなさゆえ、旅に出る心の高まりと残される側の寂寥のおもいを際だたせているようで、とても好きなお話でした。
「季節」の事を教えてくれるカラス。一見この世界と同じようでいて、どこか違う世界の話。抒情的な作品。
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