カント・ボックス〜すべての女はひとつであることの、幾何学的証明

言葉に流されるままに、なんかわかんないけど流されるのが心地よく、なんかわかんないけどおもしろいです。

実にいろいろな捉え方があると思いましたが、私は博士はカントに恋してるのではなく？　と思いました。

オイラ無学でバカなので、知識ベースの部分は途中でギブアップしました。（ごめんなさい）

哲学者部分は、カントム執筆の時に少し調べたから、ある程度分かりました。
神話とかの、他の部分はお手上げ。

そして、思った事は３点。

（１）どれだけ博学なんですかwww
（２）あー……、そっか。一つだなぁ。
（３）なぜカントなのか、と怒る友人には爆笑。傑作！

この作品に追いつける人……はたして居るんだろうか？　（驚）

読み進めていくうち、あまりの面白さに読むのが止められなくなった。
主題の通り、本作のタイトルを実際に証明（しているように見える）しているのが凄い。

そしてその中身についても、ロマンあり、切なさあり、懐かしさあり。かと思えば大河ドラマのような世界観に放り出されることもある。

一つの作品でありながら、まるで無数のタイトルを読み終わった後かのような読後感。凄まじいの一言です。

傑出している。
それは私の理解の至らなさから来る錯覚なのかもしれないが、だが、理性ではなく心の琴線がこんなに鳴り響いているのだ。
これを是と認めなくては、私のこれまでというのは微塵の意味も持ち得なくなってしまうだろう。
もし私に有り余る時間があり、世々が終わることなく果てしなく続くのなら、私はすべてを費やしてこの作品に向き合うだろう。
金言のすべてを費やして、過去に賢人たちが紡ぎあげたすべての賞賛の言の葉を引用し、ときに自ずから生み出して、絶えず見事と呻き続けるに違いない。
許されるのなら、人生のはじめに、そして終りにこの作品と向き合いたかった。
だから、いま出会えた贅沢に、最大限の感謝を告…続きを読む