有限の時間を全て費やして、世の終わりまで読み続けたい作品

傑出している。
それは私の理解の至らなさから来る錯覚なのかもしれないが、だが、理性ではなく心の琴線がこんなに鳴り響いているのだ。
これを是と認めなくては、私のこれまでというのは微塵の意味も持ち得なくなってしまうだろう。
もし私に有り余る時間があり、世々が終わることなく果てしなく続くのなら、私はすべてを費やしてこの作品に向き合うだろう。
金言のすべてを費やして、過去に賢人たちが紡ぎあげたすべての賞賛の言の葉を引用し、ときに自ずから生み出して、絶えず見事と呻き続けるに違いない。
許されるのなら、人生のはじめに、そして終りにこの作品と向き合いたかった。
だから、いま出会えた贅沢に、最大限の感謝を告げたい。

この上なく素敵な読書体験だった。

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