詩のような、ひらがなだけで表現された部分と、主軸のストーリーの絶妙な混じり具合。ラストまで、とてもうまくまとまっていて、ああ、読んでよかったと思える、完成度の高い短編小説でした。
黒澤伊織です。旧ペンネームは山野ねこ。出版するときに、なんか作品とそぐわない名前だったので、重めの名前に変えました。 作風としては、社会派の小説が多いです。…
記憶喪失を描くのは簡単そうで実は意外と難しいような気がする。しかし兎村先生は上手なライン上で少年を生き生きさせていたと思う。この作品は序盤から引き込まれ、最初に感じていた違和感を最後にすべて回収…続きを読む
むしろ冒頭が本編なんじゃないか、と思われるぐらいの新しい書き方をされています。しかし、斬新な書き方が味を出していて、最終話へのまとめ方もきれいです。短編でここまで詰め込んでまとめられるのは本当にす…続きを読む
ユウキとアイカ。二人のよくイメージされる幼馴染とはちょっと違った微妙な距離感。二人の会話と描写にキュンっとしつつ、もどかしさを覚えました。そのシーンと対比するように、記憶をなくしたユウキの葛藤は…続きを読む
赤。血の赤。黒。車の色。でも、それだけじゃない、黒。それは、絶望でもあって、希望でもある色。一話一話に差し込まれた、ひらがなの部分がじわじわと恐怖を誘います。事故にあった少年と、それを…続きを読む
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