前向きで、力強くて、読み進めるほど幸せな気持ちになる、ある少年の自叙伝

架空の歴史を辿った未来の社会で、健気に生き抜く少年たちの姿を描いた物語です。

1話1話のボリュームはそこそこありますが、驚くほど読みやすく、毎回気づくと読み終わっていました。
成長した主人公が自分の過去を語っているという構成のため、波瀾万丈な人生をぎゅっと濃縮して味わっているような旨みがあります。

このお話の登場人物たちは、みんな貧しくとも前向きで、生きる力に満ち溢れています。
心が折れてしまいそうな辛い境遇に落とされても、仲間と手を取り合い、酷い大人たちから弱者を守ろうとします。

身の丈を知り、相応の道を過たず選び取る。
きっと難しいことなのに、それを自然にやってのける彼らの姿が眩しい。
そういう「正しさ」が報われる気持ち良さが、この物語にはあります。

読めば必ず明るい気持ちになる。
今の時代だからこそ読みたい物語です!

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