ごめんね、おじいちゃん。――(「終の檻」より)

 まず、タイトルが良いですよね。「終の檻(ついのおり)」私のツボにビシっとハマっちゃいました。
 そして書き出し。
「社会は疲れ切っていた」という一文だけなのに、現代を生きる私たちはこの一文から色々想像できてしまう。先に続く展開への「読む姿勢」が出来上がってしまう。小説の入りとしては理想の一文とも言えるんじゃないでしょうか。
 さらに内容も良かった。
 荒唐無稽な展開というわけではなく少し考えさせられる話になっていて、自主企画云々を抜きにしても評価したくなる内容でした。
 ――(「終の檻」へのレビュー)

 少年の夏の一幕。細やかな描写が、描かれていない蝉の声や暑い陽射しまで想起させてくれます。小人という特殊な存在が登場している筈なのに自然なまとまりを備えていて、スッと頭に入ってきました。子供時代、もしかしたら皆これくらいの不思議体験をしていたのかなあ、とノスタルジックになってしまう、そんな作品でした。
 ――(「自由研究は小人の観察」へのレビュー)


 他、魅力的な作品がいっぱいですので、このレビューの内容もきっと作品毎に増えます。