"夜勤"という、押し付けられた非情な宿命

とにかく最初から最後まで面白い。
昼生まれと夜生まれの差異を端的に見せる冒頭から、夜勤と死獣とのぎりぎりの戦闘シーンへの流れは、悲壮感を感じさせつつひたすら格好いい。
もうこの時点で途中でやめるなんてできなくなりました。

設定が作り込んであり、語り口は説明的でなく、見せ方が非常に巧いです。
火薬の臭いまで漂ってきそうなリアリティがあります。
個人的にいいなと思ったのは、極限状態での戦闘の場面と、とても美味しそうな食事の場面との対比。
とても鮮やかに生と死というものが際立っていました。

夜に生まれたというだけで生き方を縛られる夜勤たち。
謎めいた少女。
ロストテクノロジー。
死獣の正体。
魅力的な要素が次々と登場して、気づいたらクライマックスへ。

どんなラストを迎えるのか終盤まで全く分かりませんでした。
主人公の一琉たちを待ち受ける結末を、ぜひ確かめてみて下さい。

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