(6)もう一人のウォレス。
ジョージ・ウォレス、アラバマ州知事を4度務め、1968年アメリカ合衆国大統領選挙にアメリカ独立党の候補として立候補した。1963年、ケネディ政権下、2人の黒人学生のアラバマ大学入学を阻止するために、大学周辺を州兵で固めて自ら大学の門の前に立ちはだかった州知事といえば思い出される人もあるでしょう。
彼は1958年、初めてのアラバマ州知事選に立候補するとき、全米黒人地位向上協会の支持を受けるほど穏健な主張で選挙戦を戦いましたが惨敗に終わりました。2度目の州知事選挙では、一転して「人種隔離政策」に転じて圧倒的得票で州知事に就任するのです。このときウォレスが掲げたスローガンは「今ここで人種隔離を!明日も人種隔離を!永遠に人種隔離を!」と云う過激なものでした。
1968年、前アラバマ州知事だったウォレスは、公民権運動に不快感を持つ南部の白人層の代表としてアメリカ独立党から大統領選挙に出馬します。南部5州ではトップになりましたが落選します。その後2度挑戦するも落選。
しかし、4度もアラバマ州知事を務めるにはそれなりの人気、人望があったのでしょう。2大政党にこだわらず、公民権運動の恩恵を受けない白人ブルーカラー層や農業従事者、連邦政府の施策に不満を持つ貧困層など社会の底辺層に強力に支持されたといわています。3期目の再選が禁止されているので、妻を立たせて当選させたりの荒業や(その妻は癌で当選90日後には亡くなるのですが・・)、そうかと思うと、1982年の州知事選挙では、今までの誤りを認めたため黒人からも投票され、知事に当選。就任後は公約通り黒人を州政府に登用しました。
なんともいやはや・・アメリカはスケールが違うのです。
『簡単なアメリカ政党史』知っいるだけで大統領選が予測出来る? 北風 嵐 @masaru2355
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