すごいきもちいい

学校での「いじめ」をめぐる、疾走感あふれるミステリー短編。

テーマの面白さや、キャラの強烈さもさることながら、独特の文体に惹かれました。

鬱々とした内面と、非現実的なキャラクター、爽快感のあるストーリー、それらの、一見相反するものを、まとめあげて、一つの作品の中に違和感なく内包する手腕は、相当なものだと思います。それらがバラバラにならずまとまっているのは、ひとえに、作者の描写力、文体の技術を示すものだと思います。

面白かったです。ありがとうございました。

この短い中に、キチンと物語として構成されていて、とにかく文字通りに痛快なストーリー。

文章もしっかりしていて、読み応えは十分でした。

舞城王太郎リスペクトしまくった流れるような文体が魅力の短編小説です。
主人公の達観した立ち位置、ぶっ飛んだ性格のヒロイン探偵、苛め問題に悩まされる被害者。
何よりも自傷しなければ推理できないというヒロインのキャラ造詣がものすごい鮮烈で、とてつもなく舞城してます。
それに付き合わされて彼女を傷付けまくる主人公の性格もネジが一本外れていて、これまた舞城チック。

事件に関しては、絞殺と自殺では跡の付き方がうんぬんかんぬんとか思ったりもしましたが即座に補足説明があったので全く問題なし、というか犯人当てを楽しむよりも世界観を堪能するタイプなのかなと。

そもそも舞城や清涼院はキャラミスの先駆け的存在…続きを読む

色々細かいところを突き詰めると突っ込みどころはありますが(笑)、恐らく著者さんがお好きであろう流水大説的な流れを汲む物語です。

ラノベ風な突拍子のないお話も、今や立派なミステリの一ジャンルですので、今後に期待です。

寡聞ながら、前後に類例がない、凄い名探偵が活躍します。

非常に癖が強いですが構成が実に見事で、とてもお薦めです！！