31 夢に落ちる
眼が覚めると、見慣れた天井がそこにはあった。蓄光の星が散りばめられた壁紙が私を迎えてくれる。なんとなく、近くに転がっていたスマホを手にとって、日付と時間を確認した。
七月十九日、午後十一時三十三分。
オサキとマンションの屋上で出会ったくらいの時刻だ。私は、右手をそっと持ち上げる。一筋の雫が、腕をそっと伝い落ちていった。
それが、弾けきった瞬間。私の夢は終わったのだった。
赤い眼の狐 雨夜灯火 @amayo_tomoshibi
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