「魔王は貨幣パルプンテを唱えた!」 気楽に読める通貨ファンタジーです

中世欧州RPG風(というより丸々ドラクエ風)の冒険モノ。とはいえ緊迫したモンスターとの戦い――というのは、少なくとも最新話までないです。モンスターは、道端に落ちてる小銭提供マシン程度の存在感。

そんな感じで世界観はゆる~く構築されていて、キャラのかけあいも楽しい。

なんといっても本作が面白いのは、「マンガでわかる通貨入門」的に、通貨や経済にまつわるエピソード中核で構築されているところ。

デフレインフレ、バブルと崩壊から、通貨改鋳や貨幣並立に伴う混乱とか、「モンスターが落とすゴールド」をネタとして、うまく展開されています。まあ魔王は「中央銀行総裁」ですね、この世界では。戦時中のニセ札謀略みたいな気もするし。

やり手魔王の目的はやがて開示されるんでしょうが、別になくてもいいやw――という気にさせてくれるほど、貨幣ネタが面白い。気楽に読み進められる小説です。

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