愛すべきバカたちに、笑い、そして涙せよ……!

一般的なチート物は、自己の能力が傑出していることで圧倒的優位に立つという白魔術的発想によるものが主流となっています。そんな中、自分以外の連中が低能あるいは無能すぎるが故に、相対的に己の能力が際立ってしまうという黒魔術的チート世界を作り上げた逆転の発想は、全く以て見事というほかありません。
その上、読者レベルでも充分に理解できる事柄が、作中においては主人公くらいしか理解できないという〈志村後ろシステム〉が随所に発揮され、笑いどころ満載の極上のコメディーとなっています。
それでいて最終話では、名言連発のまさかの展開が待っているのですから、このギャップに涙せぬわけにはいきません。
傑作です。

その他のおすすめレビュー

空っ手さんの他のおすすめレビュー108