短編小説のお手本のようだ。全ての言葉に意味がある。
中條影昭の生き様が心に沁みます。報われなくても、それも有りかな、と思う。でも、それだけではないんです。最後のオチが秀逸。ドラマが有ります。私は最後まで見抜けませんでした。このオチで、蓬莱橋の名が強い存在感を放ち始めます。若狭屋さんのレビューも勉強になります。合わせてお読みください。短編にはMAX2つが信条ですが、3つ付けました。
徳川慶喜は大政奉還後水戸に蟄居する。。やがて許され現在の静岡市の浮月楼あたりに住んだ。旧幕臣の中から茶畑の開拓をする者が多くいた。慶喜は一度も彼等を、見舞う事もなく写真や自転車などの趣味に生きた。「貴人情を知らず」といった声もあったが、慶喜は新政府にとって重要注意人物。折しも新政府への反乱が相次ぐ中、彼が動く事は反乱を起こす事になるためだったのだろう。色々な思いが現在も茶畑としてのこっている。
短い中に巧みな展開が組み込まれていているだけでなく、それが郷土の描写とうまく重なり合っていて、しかも最後はなるほどこう持って来たか、という驚き。これは傑作ですね。とても良い短編と思います。
読み切ったあとに不思議な清涼感が残る作品でした。 大井川にかかる、古く長大な蓬莱橋。なぜ平坂さんと少年は蓬莱橋に訪れたのか。作品を読むうちに明らかになる真実に、思わず瞠目します。 蓬莱橋という場所の選定や登場人物のキャラクター性、名前まで見事に練られているなと感じたのですが、ネタバレになるので詳しく語れないのが惜しい! とにかく読む価値のある作品だと思います。 あと、平坂さんがとてもいいです。シリーズ化してほしいくらいですね。ともかく、オススメです。
ちょっとすごいです! 短い物語の中に仕掛けや伏線が張り巡らされていて、読後に「おおっ!」と鳥肌が立ちます! 短い中でもしっかりとキャラも立っており、文章も過不足なくてすっきりと情景が目に浮かびます。街コン作品はたくさん読んできたのですが、シリーズ化できる――そして、ぜひともシリーズ化してほしいと思ったのは、この作品が初めてです。第一話と書いているところからして、作者さんには続編の構想があるのかしら? なんて期待も膨らみます!
あまりここで書くのも興を削ぐので、とにかく読んでほしいとしか言えないのが、もどかしい。構成、どんでん返しが見事に決まっていますが、それ抜きでも面白い作品なのです。
何でこんな良い作品が埋まってるの?私が初レビューでいいの?とか思いながらレビューしております。少年が将棋で負けたシーンから本作は始まります。その少年は郷土史研の女の子、平坂さんに誘われて島田市に出掛けます。少年は平坂さんに救われて……。街コンの作品としても、一つの青春ものとしても完成度の高いこの作品。読まなきゃもったいないですよ!!
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