この短さでこの完成度……!

街コン応募作ということで拝読いたしました。
歯切れのよい文体が醸し出す軽快なテンポは、絶叫マシンをモチーフに据えたこの短編にぴったりです。僕や先生の説明を省くことで後半の意外性を引き出しているのはもちろんのこと、過剰な描写を控えて文章にスピード感を与えているのもさすがだと思いました。
先生と僕の関係性が次第に明らかになり、やがて拓けていく視界にはちょっぴり哀しい現実と、未来への確かな希望が広がっています。いずれ減速して停止するであろう絶叫マシンの最後ではなく、ピークのところでふっと幕を下ろす終わり方も素晴らしいです。
岡山は未踏の地ですが、岡山出身の友人知人は結構変わった苗字が多いので、先生の苗字も珍しいのかなあなんて思ったりしています。
最後に、繰り返しになりますが、この短さでこの完成度……!

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