酸っぱいリンゴと桜散る

作者 @kuronekoya

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★★ Very Good!!

同じ中学だった子、同じ大学に受かった人、何かしら共通点があるのに、いつの間にか彼らとは異なる道を選択していて、それが正しい選択なのか、間違った選択なのか自分でも分からずモヤモヤしてる。けれど前に進まないといけない。
そんな、この年代独特の雰囲気が伝わってきました。
あと。弘前の桜見てみたいです。

Good!

弘前城の桜は有名ですが、花筏は知りませんでした。風流な呼称ですね。ところで、賞味期限の2日を過ぎると、どうなるんでしょう?お堀だけど水の流れが有って、下流に消えてしまうのでしょうか。それとも桜色が茶色く変色するのでしょうか。そんな事にも言及して頂けると、私のような奇人読者の疑問も解消するし、作品中のエピソードにも”花”を添えられたのでは?と思いました。
さて、作者の正確な性別は存じませんが、これまでの諸々の書き方から男性だと思っていました。だから、”志望校の欄に◯◯大学と書いたら”の部分に「えっ!」と声を上げてしまい、隣で煙草を吸っていた同僚から不審の目を向けられました。本筋から外れて、私が最も驚いた点を紹介しておきます。

★★★ Excellent!!!

街コン掌編もの。

誘ってOKもらってからのお断り……。いや似たような経験があると心にグサリときますね。短い作品なので、あまり長く語ってしまうとネタバレになってしまいますので割愛しますが、風景描写も素晴らしい甘酸っぱい、いや酸っぱい物語です。まだの方は一読してみてください。

あと、桜のアレは「花筏」っていうのですね。また一つ勉強になりました。

★★★ Excellent!!!


弘前公園の桜と聞くと、最初に頭に浮かぶのは
この小説でも描かれているお堀の花びら。
あれは花筏っていうんですね。
しかも、あのときめくような桜色の筏は
たった数日しか見られないなんて、初めて知りました。

足踏みしている主人公のもやもやが
パッと晴れ渡るような瞬間があり、
読みながら「おっしゃ!」と、拳を握ったのも束の間で。

桜が散る頃の情景と交差する心情。
そして、
二人がすれ違った一瞬を切り取ったような物語なので、
やはり散り乱れる桜ではなく、
花筏の水と静けさの方が近いように感じました。

日本人は「さくら」だけで
こんなにたくさんの物語を紡ぎ出せるものなんですね。


★★★ Excellent!!!

青森の弘前公園を舞台にした街の物語。桜は学生にとって、色々な思い出が重なる花ですね。入学、卒業という恒例行事はもちろん、初恋なんていう浅き夢見し頃も似合う花です。
そんな甘くも切ない学生時代を、桜の季節をバックに描かれた物語です。主人公は挫けずに、前を向いて歩こうとする。そんな一コマを、心の内を丁寧に描写されております。

女心と秋の空、昔の人はよくこの存じだったのですねえ。

★★★ Excellent!!!

現状把握よりも未来への希望に心が向かう男子と、現実の自分の立ち位置を見極めた上で未来を設計する女子。
10代後半から20代前半というのは、男女でそんなギャップを抱える年頃ですよね。
第一志望の大学に通うべく浪人中の彼は、中学時代は地味で目立たなかった彼女と弘前公園で再会しますが、彼の思いは作品中で描写される花筏のようなものなのだと思いました。
咲き誇っていた頃とはまた違う花の美しさに気づく。
けれどもその美しさはほんの数日の儚いものであり──
甘酸っぱい読後感に浸りながら、夢を叶えた彼が甘い林檎を手にすることができるよう祈らずにはいられません。

★★★ Excellent!!!

私が育ったところも桜の名所でした。

桜の季節は毎日が楽しい。

ひっくり返した傘に花びらをたくさん溜めて、そしてさす。
散ってしまったあとの楽しみでした。

家を出て、しばらくして、帰省したりすると会うんですよね。好きだった人に。
…いや、会いたかったから、わざとウロウロしたりしてたのかも。

そんな甘酸っぱい記憶。
例え、散ってしまったとしても、何だかとても綺麗な色で、いつまでも私の中に残っている。

そういう日のことを思い出させてくれた作品です。