新旧交代

 壁に掛けたカレンダーとお別れの日

 街は一年で一番賑やかで

 人々の頭の中では鐘が鳴り響いてる


 そんな賑やかさを横目にただぶらぶら歩いてく

 みんなみんな冬の色に染まってた

 

 瓦の色も

 家の壁も

 街路樹も


 池も

 山も

 空も


 ふうっと溜めたものを吐き出して

 この清浄な空に混ぜていこう

 今は何色でもないけれど

 いつか素晴らしい輝きを放つために


 風に乗って旅をする一枚の小さな羽根

 ふわり ふわり 優しく地面にキスをする

 それは何でもない光景だけど

 何故か心が暖かくなるね


 日が沈むと街は更に騒がしくなって

 人々は溜め込んだ罪の清算に余念がなくて

 そして僕はいつもみたいに一人部屋でモニターに向かってる


 もうすぐ新しい何かがまたこの惑星に宿るだろう

 今はただ古びた過去が死の宣告を待つばかり

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にゃべ♪の適当詩集 2004 にゃべ♪ @nyabech2016

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