堺市には結構行くんですが旧堺燈台も龍女神像も知らなかったです。大阪人なのに・・・・・・本当にその風景が浮かんで今度行ってみようか、と思わせられる作品でした。
少し離れたりすると育った街が随分変わってしまった気がして、寂しくなったりする。でも、変わらないものあったりして、それが嬉しかったりする。私は行ったことの無い街の話だったが、そこに暮らす人が見えた気がした。きっと日本全国、こういう風に人は暮らしているんだな、と思った。面白かったです。
高校生の頃、大浜体育館にはよく行ってましたから懐かしく読ませていただきました。堺の電車は何故か南北だけにしか敷かれてないんですよね。地元民はあのくだりで笑ってしまいます。東西移動は羽衣線のみ。しかも、数キロメートル(笑)それはさておき、昔の港町だった風情がよく描けていると思います。日本最古の木造燈台のあの静かな佇まいに、かつての商人の街が映されているようで、回想シーンと相まったノスタルジックな雰囲気が印象的です。
天才とは、こう言う文章を綴る人のことだと思います。短い文章の中に二人の魅力も街の魅力も詰め込まれています。この方の文章がまた読めて本当に嬉しい。
これぞ地元民、と快哉をあげたくなる叙情的な風景描写が秀逸でした。見たこともないのに、店が浮かぶんです。夜の街、公園、今はもう稼働してない燈台。気になってちょっとググっちゃいました。街の紹介は、決して観光地だけじゃない。その土地だけの「風光明媚」が必ずある。そんなことを思い起こしてくれました。
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