6人の才ある子供達が紡ぐ「未来の物語」

人工知能に管理された世界。
とある仲睦まじながらも才ある小学生六年生の三人は、一人の身内の博士からの提言で研究職を目指し、大学受験をすることとなる。
その受験会場で中学生の女の子、同い年の背の高い男の子、一つ年下の女の子と知り合ったことで――

前半の「時の軌跡」では謎がふんだんに散りばめられており、そして後半の「霧の軌跡」では別視点からの物語が綴られます。
その話の収束までの流れは凄まじく、一つ一つの伏線を綺麗に拾い上げる「軌跡」は本当に美しいです。

また一人一人の登場人物に個性があり、頭の良さもあって時折、彼らがまだ子供であることを忘れてしまいます。

30万文字超えと大作のSFですが、文章の軽妙さ、ならびに上手さからぐいぐい読んでしまいます。
楽しみにじっくり読むのも良し、一気に世界に入り込んで読むのも良し。
SF好きならずミステリ好きの方にも是非とも読んでほしい作品です。

おススメです

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