作者・雪車町地蔵さんの一連の作品を見ていると、
・大変な凝り性である
・やたらと博識である
・速筆かつ多作である
ことなどが即座に判明します。
独特の筆運び、設定、展開のすべてが適合していて
「ザ・雪車町ワールド」が展開していくわけです。
それらの個性を「ラブコメ」という形にして
ぎゅーぎゅーに詰め込んだらこうなった……
みたいな快作がコチラ。
しかも、ただの「ラブコメ」にとどまらず、
さまざまな要素がごった煮・ちゃんこ鍋の
様相を呈していて味わい深いところが
さらに憎らしい。
うまいなあ……。
ズルいなあ……。
文体が独特だからといって、読みにくい?
いえいえ、そんなことはございませぬ。
その真逆、サクサク読めちゃう疾走感。
このポイントは、特に最近の作者が
大きく変化(進化)した点だと思われます。
さあさあ、このレビューをご覧の
おとっつぁんおっかさんにお兄さんお姉さん!
どうぞ、このまま本文に進んじゃっておくんなさい。
楽しい読書、保証しまっさかい!
読了後、天を仰ぎ、思わず唸る。
恋愛モノとしてもそうだが、バトルだけとっても一級品。これは、ちょっと小説としてモノが違うぞ、と嫉妬するほどのクオリティ!
ここで名を出しても良いものか、えぇい、ご容赦を。夢枕獏先生の『陰陽師』を読み漁り、ゲーム『東京魔人学園』を遊び倒した私には、この作品、とても効く……!
もうね、ヒロインの名前からして、ニヤリですよ。心をくすぐる単語や、クスリと笑える小ネタもにくい。
まるで、『呪』にかけられたかのように、次々と物語る言の葉に引き込まれていく!
結末を迎えれば、そうか、晴れわたる明日か……ッ!
タイトルからして完璧じゃないか!
このカタルシスよ!
新説・葛の葉伝説、カクヨムにあり!
素晴らしい作品でした、ありがとうございます!
まず注意しておかねばならないのは、これが時代小説ではなく恋愛ファンタジーということでしょう。「時代ものはややこしいから見るのは敷居が高い」と思っている方がいるならば、それは誤解だ。この作品は、歴史の知識がなくてもスラスラ読める作品である。そもそもジャンルが「時代・歴史」ではなく「ファンタジー」なところで察して欲しいところではあるが。
文章はライトノベル調で簡潔、説明も無駄がなく実に爽快に伝わってくる印象があった。また如何にもweb向けといった感じの文章構成がされており、その面でも読みやすかったように思える。全体で9万字程度の文量なので、読了までさほど時間がかからないのも良い。通勤・通学や仕事・学業合間の空いた時間に読み進めるのも手である。
実を言うと、筆者は恋愛小説が苦手で、あまり読みたいとさえ思わない。恥ずかしながら、平安ものと聞いておびき出されたクチである。それでも最後まで読むことが出来たのは、これひとえに物語が面白く、吸引力と魅力があったからに他ならない。繰り返すがこれは時代小説ではない。誰もが気軽に読める恋愛ファンタジーである。
多くのレビューが物語っているように、中身が濃い上にスラスラと読める作品であることから、実際に読んで楽しむことを強く薦める。
大人の事情から始まり、平安時代へのタイムスリップ。
そこで繰り広げられる雅な世界。
一見、堅苦しいイメージのある時代物ですが、作者の味が活きた軽快な言の葉選びで、むしろ柔らかくなじみやすい物になっています。
巻き込まれタイプの主人公ながら、どこかポジティブな思考と、ところどころに見せられるコメディチックな笑いについつい引き込まれてしまいます。
一気にひと段落する第三章まで読めてしまいました。
もちろん恋愛要素もありますが、作者の知識が活かされた世界観も見どころです。
一味違った恋愛ストーリーはいかがでしょうか?