乾燥していた心がみずみずしくなったような気がします。
そんな素敵な作品でした。
とにもかくにも、セリフが素晴らしいです。
漣里くんの不器用ながらも心がこもった言葉には、何度ドキドキさせられたことか……!
それと真白ちゃんの何気ないセリフにも、ときどきハッとさせられるんですよね。
ひとつだけ、ひとつだけその会話を抜粋させてください!
「あんたは俺が喜ぶと笑うな」
「? それって普通のことじゃないの?」
僕はこの言葉に衝撃を受けました!
何て純粋な子なんだ、天使だ!
そんな二人が、仲睦まじくも初々しくて何度もすれ違いながら絆を深めるお話です。
最後までキュンキュンすること間違いなしですよー。
ゆずりは先生の存在はpixivで行われていたミライショウセツ大賞のときから知っていましたが、先生の書かれた作品をきちんと読んだのはこの恋愛小説コンテストが初めてでした。
ミライショウセツ大賞に応募されていた作品を冒頭だけ読んだことがあるのですが、とにかく上手いと思ったのが先生との出会いだったと思います。
その後は賞もとられてプロ作家として次々に本を出されるのではと思ったのですが、ミライショウセツ大賞で賞をとった作品を除き、先生の作品が本になることはありませんでした。
他のミライショウセツ大賞で賞を受賞した方が続編を次々と出す中、どうして先生の本だけが出されないのだろうと疑問に思うこともありました。
今回、この作品を読んでその思いが一段と強くなった次第です。売り上げが大切なのは分かりますが、先生の本が他の受賞者の方と比べて売れてないとは到底思えません。こういうことは書いてはいけないのですが、受賞された方の作品をいくつか読んで純粋に上手いのは先生の本かなぁとミライショウセツ大賞の作品を読んだ当時に思ったものです。
正直言って、他の先生たちの作品は少し文章が読みにくかったり、設定が雑だったりと冒頭から引っかかる部分がいくつかあり、ブラウザバックボタンを早々に押してしまう状態でした。そんな中、上手いなこの人っと思ったのがゆずりは先生の作品でした。といっても最後まで読んでいないから何とも言えないのですが……。
先生の他にもカクヨムでは出版経験のある作家さんが大勢活躍しています。そんな作家さんを見かけるたびに、どうして力量のあるこの人たちを使わないのだろうという疑問を抱く自分がいます。
紙の本を出したいという夢は、小説を書く人だったら誰もが思い浮かべる夢だと思います。でも、同時に新人賞をたくさん開催して新人さんを見つけるよりも、力のある作家さんに新作を書いてもらった方が出版業界の雇用も安定するし、質のいい紙の本が大量にでいるのではと思ってしまう自分もいます。
何だか、作品のレビューとはかけはなれたものになってしまいましたが、この作品は書籍化する価値が充分にある素晴らしい恋愛小説だと思いました。
最新25話まで読んでのレビューです。とにかく読みやすくテンポのいい語り口。章の区切りがまた小気味よく、次から次へと読み進めていけます。
ですがもちろんそれだけではありません。ヒロインと彼女を取り巻く三兄弟が三者三様の実にいいキャラクターで、時に笑いあり、時にときめきあり、時にほっこり、時に切なくと、じつにいいシーンの連続なのです。普段ラブコメものを読まない男性でも、すんなりと読める面白さです。そうして日常を重ねているうちにも、だんだんと思いが募っていくところなども物語の魅力たっぷりです。
その物語は序盤から中盤に差し掛かったあたりでしょうか?これは連載を追いかけて楽しむのがいいタイプの物語だと思いました。ということで今からぜひ読んでみていただきたいです。
第19話まで拝読しました。
主人公の女の子が、ひょんな出来事からイケメン三兄弟と知り合うことになり、徐々に親交を深めていく……というのが主な筋立てのラブストーリーです。
まず特筆すべきは、圧倒的な可読性を備えた文章の小気味良さ。数万字という分量が、びっくりするほどスラスラと読み進められます。
また、全体的にストレスを覚えるようなシーンがほとんどなく、ひたすら心地良い物語が展開する点にも、娯楽小説として徹底されたものを感じます。
それでいて、主人公とイケメンくんたちとの会話内容は、思わず頬が緩むような乙女風味が目白押し。
登場人物も当然魅力抜群で、感情表現は不得手だけど本当は純情な漣里くんをはじめ、長兄である響さん、次兄の葵先輩のいずれもいいキャラしてます。
しかし、これは私が男だからこそあえて言いたいのですが、何たってこの小説は主人公たる真白ちゃんが、ビビるぐらいに可愛らしい!
本人は自分を平凡な高校生だと主張しているようですが、こんな素直で優しくて気立てのいい女の子なら、そりゃ男に好かれるのも当然だわ……などと、読んでいて妙に納得させられてしまいます。
何というか、この子と来たら「ああ、この場面でなら、男は女の子からこんな風にいたわってもらえたら、その子のことが好きになったりするのかもしれないな……」というようなセリフを、まさに絶妙のタイミングで言うんですよコレが。
ちくしょう弄びやがって! 男の純情を!(←誰だよ)
と、何だか勢い任せに凄い語ってしまいましたが、それぐらいハイレベルな乙女小説だと思いますですはい。