死霊が視えてしまうという、特殊な能力を持つOL・真瑠璃。そんな能力が原因で理不尽に仕事を失い、自暴自棄になりかけた彼女に思わぬ出会いが——。
その特殊能力を活かし、王子のように素敵な二人の陰陽師、在人・欧理と共に巨大な御霊鬼達と戦う真瑠璃の活躍を描いた、壮大で躍動感に満ちた物語です。
登場人物達が皆生き生きと魅力的に描かれ、それぞれの持つ個性や能力を存分に発揮しながらストーリーは展開していきます。内容的には重いものを含みつつも、明るく活気に満ちた情景描写や会話のテンポの軽快さはとても心地よく、読み手はグイグイとその世界へ引き込まれて行きます。
人の世の転覆を図るべく立ちはだかる手強い御霊鬼たちと、それに立ち向かう在人と欧理、そしてその能力をフルに使って欧理のバディとして奮闘する真瑠璃。そのバトルの様子は、まるで目の前で戦いが展開していくようなリアルな迫力とスピード感に溢れています。
在人と欧理の間で心が揺れる真瑠璃のキュートで鈍い一面にも、その度にきゅんきゅんドキドキ……甘くてちょっと焦れったい恋の気配も、心地よいバランスで物語に組み込まれています。
そして、最強の御霊鬼を倒すべく全力を尽くす彼らに待ち受ける結末は——?
まさに手に汗握る、そして力強く前向きなメッセージがぎゅっと詰まった、生き生きとした魅力に溢れた物語です。
リストラされたOLの真瑠璃は、道端で突然イケメン王子・在人に声を掛けられ、連れて行かれたカフェ『鎮魂館《レクイエム》』で、もう一人の目つきの鋭い王子・欧理に出会う。
なんと二人は現代に生きる陰陽師であり、真瑠璃の持つ、ある力を借りたいというのだ。
最初は戸惑う真瑠璃だが、いけ好かない欧理とペアを組まされ、仕方なく陰陽師のバディーとして、浄霊の手伝いをすることに。
凄腕だが、呪いによって霊を視ることができない在人と欧理の代わりに、彼らの目となって浄霊に協力する真瑠璃。数々のピンチを切り抜け、
欧理「おれが浄霊してやるぜ!」
真瑠璃「それを言うなら、あたしたちが、でしょ」
……という会話はないのだが、やがて二人の呼吸も合い始め、浄霊の経験値もあがってゆくにつれ、彼らは日本を揺るがすような巨大な怨念のエネルギーと対することになる。
本作は、全編が激しい陰陽バトルの連続。合間に甘ーいレモンタルトとか、小旅行とか、ハイキングとか噛ませつつ、実生活では能力低めの、霊能力はしかし高めな真瑠璃が、二人の王子様に必要とされて頑張ります。
ああ、だがなんということでしょう。真瑠璃は鈍感女子だったのです。二人の王子様の気持ちに気づかず、おかしなボケを連発します。おまけに料理も下手。
「メシマズ女子と相伴する勇気、あるかしら?」
……という会話もないのですが。
平成最後の年、迫りくる巨大な暗黒の力から、日本を守るのは彼女! 果たしてこの天地をゆるがす超絶陰陽バトルの行方は?
そして、霊は見えるが男心は見えない真瑠璃の恋の行方は?
主人公・真瑠璃の持つ特殊な能力は、本人にとっては厄介なものだった。
日常生活を送るのに支障があり、出来ることならなければよかった、と。
そんな日常から非日常へと誘い出したのが2人のイケメンたち。
非日常へ戸惑いながらも、彼らと共に戦う陰陽バトルものです。
しかしアクションがメインの陰陽バトルだけではありません。
そこには人間味あふれるドラマがあり、過去から繋がるものがあり、そして恋があり……。
脇を固めるキャラクターたちも個性的で、物語を強力にバックアップしています!
「強敵」に立ち向かう彼らの姿は、読んでいてハラハラドキドキが止まりません!
陰陽師物は数あれど、ラブコメで定評のある陽野ひまわりさまが描かれた陰陽師物となれば、ひまわりファンは当然食らいつきます。そして今まで機会がなくて、ひまわりワールドをご存知なかった方には是非ともご覧いただきたい。その一心で拙いながらレビューを一筆。
時は平安時代、ではなく現代。主人公はリストラにあったばかりのOL真瑠璃。これだけでもそそられます。そしてあることから真瑠璃は在人と欧理に出会い、カフェ鎮魂館で生活することに。これでもっとそそられます。
欧理のバディとなる真瑠璃ですが、これがそう簡単にはいきません。ここにひまわりさまのラブコメで培った男女の仲の妙味が活かされます。どうでしょう、これで完璧にそそられませんか?
現世と常つ夜の境界で渦巻く陰謀。今作の背骨ですが、単なる霊能バトルではありません。正義が勝って悪が滅びる、なんて単純な物語ではないのです。
緻密に練り込まれたストーリー、ひまわりさまの文章力でノンストレスで一気に引き込まれていきます。
えっ? こんな拙いレビューを読む暇はないと?
すぐにでも本文へ飛び込みたいと?
どうぞどうぞ。現代の陰陽師による霊能バトル、存分にお楽しみくださいな。
陰陽バトル恋愛小説です。
主人公は普通のOLなのですが、ある理由でクビになってしまいます。その理由に関係しているのが彼女の特別な力。幽霊を見ることが出来る能力。
しかし、その力は見るだけで何も出来ない。誰にも相談できないし、無ければよかったのにと、さえ思っていた。
そんな彼女が二人の陰陽師に出会う。
白(陽)をイメージさせる笑顔が素敵な王子と、正反対な性格の黒(陰)王子。
陰陽道という裏世界に主人公はどんどん入っていく物語です。
主人公の成長と信頼関係を深める面白さが丁寧に描かれているので、読んでいて楽しいです。また王子達の意外な一面や、その他の登場人物など物語の中に面白い要素が沢山詰め込まれています。ストーリー展開も奇抜なのに自然に感じるのはキャラクターの性格や組み合わせが巧みな証拠で物語に没頭できるでしょう。
最後の最後まで気が抜けない。
ハラハラとドキドキ。
これは、ただの恋愛小説でもなければ、ただの陰陽バトルではない!
霊が見える。
そんなこと、誰も信じてくれない。
ただ怖くて。
唯一信じてくれたお祖母ちゃんももういない。
その能力のせいで、職も失ってしまった。
そんな桜真瑠璃の前に現れたのは、白と黒の二人の王子。
陰陽師だという彼らは、真瑠璃に力を貸してくれと持ち掛けるのですが――
ふんわり優しい、白王子の在人さん。
とりつく島もない黒王子の欧理。
彼らが営むカフェ、鎮魂館―レクイエム―
不意に回り始めた運命の環。
果たして真瑠璃は?
作者さまの構成力、完成度の高さは、もちろん存じ上げているのです。
いつもとても素晴らしい物語を見せてくださいます。
それを知っていても、尚。今回の作品の上手さには舌を巻きました。
平成の世に現れた陰陽師たちの物語。
あなたにも、ぜひ。
リストラされたOL、真瑠璃の次の就職先は、なんと美形の陰陽師達の相棒⁉
爽やかスマイルに魅了されてしまう白王子・在人さんと、口は悪くてぶっきらぼうだけれども、責任感の強い黒王子・欧理さん。
二人のバディとしてスカウトされた真瑠璃を待ち受ける日々は……⁉
格好良くて素敵な二人の王子にどきどきしてしまう恋愛模様は、読んでいて思わずによによしちゃいます!
白王子も黒王子も、どちらもすこぶる魅力的に描かれていて、思わずそわそわ……(´艸`*)
ですが、本作の魅力はそれだけではありません!
陰陽師としての戦いの様子も、深い知識に基づいて描かれていて圧巻です!
特にラストバトルは手に汗握る迫力です!
任務を通じて深まっていく三人の絆や恋模様を、ぜひお楽しみください!!
会社をリストラされたOL、真瑠璃は、町で王子オーラ全開のイケメンに声をかけられる。「もしかして、あなたには見えてるんじゃないですか?」と。
彼の言っている『見える』とは、霊が見えると言う事。その霊が見える特性を買われた真瑠璃は、彼の勤めるカフェ、『鎮魂館』で働くことになるのだった。
えっ、霊が見える事とカフェに、どんな関係があるのかって?実はカフェで働くのは表向きの仕事。裏では陰陽師として人に仇なす存在と戦う、それがカフェ鎮魂館のもう一つの仕事だったのです。
この話の面白い所は、声をかけ得てくれたイケメン、在人の他にもう一人イケメン陰陽師が出てくると言う事。それは在人の兄弟である欧理。
在人が優しい王子様なら、欧理はぶっきらぼうなツンデレと言ったところでしょうか。真瑠璃は欧理とバディを組むことになるのですが、衝突してケンカになる事もしばしば。そんな時は在人が間に入って二人を宥めると言う……何だか少女漫画のような美味しいシチュエーションですね。
話のメインは悪霊との戦いですけど、真瑠璃達の人間関係が大きな見所。
優しい在人と、ツンデレな欧理。二人のイケメン陰陽師に挟まれながら戦い、生長していく真瑠璃。
バトルものとしても恋愛ものとしても、最高に面白いです!
理不尽な理由で勤めていた会社をクビになった真瑠璃。ですが出会いや救いの手は思わぬところに転がっているもの。次に巡り会った仕事(?)は、二人の陰陽師の手助でした。
理由あって霊が見えなくなってしまった陰陽師、在人と欧理。二人は表の顔として、カフェ鎮魂館も営業しているので、真瑠璃はそこでも働くことになります。この在人と欧理がそれぞれタイプの違うイケメンで、そんな二人と同じカフェで働くと言うだけでもドキドキです。
ですがもう一つの陰陽師の仕事の方は、危険もつきものです。自らの命はもちろん、そばにいる人、見知らぬ大勢の人、時にそれらの命に係わる事態にも陥るのです。
少し前までただのOLだった真瑠璃には荷が重い事。ですが彼女は一人ではなく、在人や欧理がともにいます。三人が危機に陥りそれを乗り越えていく姿を、是非ご覧下さい。
作者さまの作品の中では珍しいバトルありの陰陽師ものです。
作者さまの特徴に、細かい設定や心理描写を丁寧に描くというのがありますが、その技法をバトルシーンに応用すると、こうもハラハラするバトルになるのかとうなされました。
ストーリーは、不幸オーラ全開のヒロインが、とあるきっかけで王子系陰陽師と出会うことで、自分を見つけていくストーリーです。
見所は、ずばり、ヒロインが王子たちとの交流を通じて成長していくところです。
こう書くとありふれた話になるのですが、前述した通り、作者さまには細かい設定を書く力がありますので、用意されたシナリオには、どれもが共感したり驚いたりと、エンターテイメントの基本であります楽しさを堪能することができます。
訳あり王子たちとの、恋にバトルに奮闘するヒロインの姿は、きっと読者さまの心を温かくさせてくれること間違いなしです。
ぜひ皆さまも、コロッケ片手に路頭をさ迷っていたヒロインを応援してみてください!!
二人の白黒王子たちも、レクイエムで待っていると思います。ちなみに、私は黒王子派でした。みなさまも、どちらの王子を推すか楽しんでみてくださいね!!