超絶イケメンの二人が経営する喫茶店【鎮魂館〈レクイエム〉】。フロントの在人が王子スマイルを振りまき多くの女性客の心を魅了すれば、厨房の欧理が絶品の料理を提供して女性客の胃袋を鷲掴みにする人気店。豆の産地から挽き方にまで拘った珈琲や、懐かしさが込み上げるナポリタンも名物メニューだが、やはりここのナンバーワンは特製のレモンクリームタルトだろう。レモンを含め小麦粉や乳製品などの材料から作り方も含め全てが門外不出の企業秘密。いざ真似てみようと口にしてから試みても、同じ仕上がりにはならないのが最大の特徴だ。おそらくは、素材や味付けの工夫だけでは説明できない、何らかの「あやかし」がブレンドされているのだろう。幼児から老人に至るまで、あらゆる客層から支持されている【鎮魂館〈レクイエム〉】のレモンクリームタルトは、訪れる機会があったら是非とも忘れずに注文して欲しい。
そして、もう一つ【鎮魂館〈レクイエム〉】で語っておかなければならないのが、このイケメン二人が陰陽師という裏の顔を持っているということ。それぞれの得意とする占術や祈祷を駆使し、除霊などの依頼を受けては【鎮魂館〈レクイエム〉】営業の合間に静かな行動を起こす。しかし、二人には陰陽師として働くに致命的なハンデを背負っていた。そのハンデを補うべく選ばれたのが今作ヒロインの真瑠璃ちゃんである。
偶然と突然が混ざった状態で陰陽道への扉を開いた真瑠璃ちゃん。その使命と二人のハンデを補うべく立ち上がった気の強さと、イケメン二人に挟まれて悶絶する可愛らしさ。そして、日を追うごとに芽生えてくる恋心。年頃の乙女が抱える悩みや葛藤に、共感と同情を覚える読者も多いはずだ。陰陽道や占術などの知識も、小難しい専門用語を並べて読者をマウンティングするような綴り方になっていないところもポイントが高い。「わかりやすい。読みやすい」のである。
どこの店でも構わないので、レモンクリームタルトを買ってきて食べながら読み進めてみることをオススメしたい。きっと読了の頃には、本当のレモンクリームタルトを欲する「あなた」がいるはずだ。
とある事情で仕事を失ってしまった主人公真瑠璃。
彼女を待っていたのは、ふたりの王子様との出会いと《鎮魂館》というカフェでした。
ふたりの王子様の正体は現代の陰陽師なのですが……
この物語は多彩な魅力に溢れていて、読み進めていくうちに作者様の筆力に引き込まれてしまいます。
個性豊かな登場人物達。
緊迫のバトル。
物語の中散りばめられたユーモアや、心を締め付けられるドラマ性。
また、物語を読み進めていく中どうなってしまうのかと、思わずにはいられないのは真瑠璃さんの鈍感力でしょうか。
ふたりの王子様を前に、鉄壁とも言える彼女の鈍感力は美味しい展開を呼んでいるのかそれとも⁉︎
この答えは是非ともお読み頂き、見届けてみてください。
ベースは本格的な陰陽師の活躍する現代伝奇の物語。
しかし登場するキャラクター達はスタイリッシュ。
ただし主人公はどこまでも等身大の普通の女の子、怨霊が見える以外は……
この設定だけでも面白そうですが、物語が始まると面白さは加速します。
女性だったら二人のイケメン陰陽師の魅力にはまるでしょう。
男性だったらゴスロリ衣装の主人公の可愛さと頑張り、そして陰陽師のバトルにはまるでしょう。
つまりは誰もが読んで楽しめるエンターテイメント性の高い作品です。
またこの作者の作品は物語もさることながら、コミカルな語り口、心中描写がとにかく楽しいんです。
だからとにかく物語を読むのが楽しい。文字を追うのが楽しい。
そういう語り口をもつ作者だからこそ、この陰陽道とラブコメ道の奇跡の交差点が出来上がったのだと思います。
などとまぁいろいろ書きましたが、とにかく面白いです。
是非読んでみてください。
やんどころなき事情で上下スウェットの女。マルリ。
ビニール袋を下げてコロッケ装備という女子力を完全に消している達人芸。そんな彼女に声をかけてくる超イケメン。
「!? まさか。完全に気を消していたはずなのに……」
「貴方には霊がみえているんですね? そうなんでしょう?」
「僕といっしょにカフェにいきましょう」
どうかんがえても悪質なキャッチセールスでしかないのですが、そこから展開する王道ラブコメ。聞くと彼は陰陽師だという。陰陽師ですよ陰陽師。イケメンで陰陽師て、どんだけだよ! イケメンならイケメンらしくピザの宅配ぐらいにしとけよ! バランス大事だからね!(ピザの宅配のお兄さんいつもありがとうございます)
そんなわけで、タイプの違う二人のイケメン陰陽王子(おんみょうおうじ)と同棲することに。
あれよこれよと沸き起こるラヴなイベント群。陰陽師だからね。バトルもあるからね。危険もあるよ。燃え上がるよ。
まるで、すべての道はラブコメに通じるとばかりの王道っぷりに、
読んでいておもわず「わかってらっしゃる!」と膝を叩いてしまいます。
ラストは日本の命運をかけての大バトル。
おもわず、シン・をつけたくなるほどに盛り上がります。
そんな、しっかりと楽しませてくれるエンターテインメント作品です!
リストラされた元OLが、ひょんなことから二人のイケメン陰陽師の手伝いをすることに?!
ハラハラな異能バトルとドキドキな恋愛模様、ワクワク要素てんこ盛りの極上エンタメ作品です。
キラキラ白王子・在人に誘われ、ツンデレ黒王子・欧理とバディを組むことになった、霊能力のある元OLの真瑠璃。
物語のメインである悪霊とのバトルシーンは迫力満点。疾走感があり、非常に読み応えがあります。
スタイリッシュな映像で脳内再生され、アドレナリンが噴出しました。
同時に、見逃してはならないのが真瑠璃の恋愛模様。
最初は優しい在人に惹かれていたものの、キツイ口調ながらも気遣ってくれる欧理にドキドキし始めます。
除霊の力にも関わる、バディである欧理との信頼関係。それがケンカップルの尊さを二倍三倍にも大きくさせているのです。
序盤からエピローグに至るまで、爽快なまでのテンポで物語が展開していきます。
緊迫感溢れるパートとほっこりする日常パートがバランスが良く配置され、全く読む手が止まりませんでした。
初めは迷いがあった真瑠璃が、徐々に二人の王子の気持ちに寄り添い、自ら立ち上がる力を得ていく様子に、思わず応援したくなりました。
戦闘服であるゴスロリドレス姿がたまらなくカッコいい!
とても面白かったです。素晴らしい物語をありがとうございました!
リストラされたOLの真瑠璃さんが、不視の呪いをかけられた陰陽師のバディーとなって活躍する物語です☆
そんな陰陽師は、まさに陰と陽のコンビ! コンビの1人は口が悪く、邪険に扱われながらもバディーを務めます。
途中は、実在の歴史上人物の怨霊が出て来て、ところどころ真瑠璃さんの機転が冴え渡り、苦難を乗り越えていきます!
浄霊のシーンは白熱しておりますが、それよりも熱いのが、凸凹イケメン陰陽師コンビに挟まれる、真瑠璃の恋心です!♪
陰陽師という特殊な世界を扱いながら、恋愛ものとしても楽しい、とても面白い小説!
高評価も納得の作品です!
楽しい読書時間をありがとうございました!
「陰陽師モノ」というと、おどろおどろしい怨霊とのバトルシーンの連続、というイメージを抱きますが、この物語は「電柱を凝視していたら、ナンパされた」という軟派な一文で始まります。ナンパされたのはバトルシーンとは全く無縁そうな元OLの真瑠璃さん(しかも失職して金欠中)。ナンパしたのは王子オーラ全開のイケメン。
甘いラブコメ? ……と思いつつ読み始めましたが、かつて安倍晴明サマにハマった黒歴史を持つ私は、第二話「二人の王子の裏の顔」でつぴーんと来ました。この作品、「陰陽師モノ」としてかなり設定に凝っている!
二人のイケメン陰陽師と出会った真瑠璃さんは、さまざまな怨霊と対峙し、成長していくのですが、想像以上に緻密な設定と見事な構成で描かれていくその物語は、予想のはるか上を行くガチぶりでした。怨霊とのバトルシーンはもちろん、怨霊の出現の仕方や怨霊と人間社会の関係などなど、かなり深い話が展開されています。怨霊の皆さんも実に豪華なラインナップ!
その一方で、この作家さまの持ち味であるキャラクター同士の絡みは、予想を裏切らず本当に魅力的です。ラブコメ的なちょっぴり甘い場面も、バディとしての信頼関係も、イケメン陰陽師の悲しい過去に苦悶する心情も、実に自然に描かれながら物語をけん引する役割を果たし、読み手を否応なく作品世界へと惹きこんでしまいます。
陰陽師ネタとラブコメ要素を見事に融合させた最高のエンターテイメント作品です。
甘い甘い逆ハーレム物語を匂わせているので、そうかなと思ったら上手く騙されてしまいました。中身はガチの陰陽師バトル物なのでかなり本気で読み進められます。最初の逆ハーレム臭は単なる起承転結の「起」で「承」が陰陽師バトルで「転」が陰陽師ガチバトル。そして「結」が――おっとこれは書いてはいけませんです。
この物語の推しは何といっても主人公・真瑠璃の成長です。ごく普通(?)の陰陽道になんて全く縁のない彼女が唯一の特技を見出されて仲間と共に本物へと変化して行く進行なのですが、やはり素人なので成長が遅い(笑) ご都合主義的にオールオッケーとはならないイモ臭さが逆に共感を産み、時に叫喚を産みます。
第二部と第三部もあるらしいので、成長した真瑠璃がどう活躍するのか今から楽しみです! (え、ないの?)