超光速ハナクソ-07

 普通指から弾かれたハナクソは少し時間が経ってから目標にぶつかる。


 ハナクソの速度がどんどん上がれば、そのぶつかるまでの時間は段々と少なくなり、ついにはハナクソは指から弾かれたのと同時に目標物にぶつかることになる。つまり時間が0になるのだ。


 それでも更に加速されたハナクソは、ぶつかるまでの時間がマイナスになり、俺の指から弾かれる前に目標物にぶつかるようになる。


 超光速、それは事象の因果関係が……原因(ハナクソを弾く)と結果(ハナクソがぶつかる)が逆転する。謂わばハナクソタイムマシーン。


 とにかく俺の能力の限界まで加速したハナクソは、俺が指からハナクソを放つ、ずっとずっとずっと……ずぅぅぅ~っと前に馬野郎へ激突した事になる。

 たとえハナクソと言うチンケな物体であろうとも、当然そんな勢いでぶつかれば人間は吹き飛ぶ。

 馬野郎はまるで核融合を起こしている太陽の表面のように、一瞬で蒸発した。

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