僕たちの冒険、郷愁誘う伝奇ジュブナイルストーリー
- ★★★ Excellent!!!
少年たちの小学校最後の夏休みに起こったひと夏の冒険。そこに過去の事件といにしえの伝説が絡み合って物語は進んでいきます。
「序章 1984年 夏」から始まる出だしでぐっと引き込まれ、主人公たちが過ごす夏休みのワクワク感に乗ってページを繰り、そして時空を超えてつながる、余韻を残すラスト……。
龍神伝説を題材としたきわめて伝奇的な作品世界が展開されるのですが、ともすれば不可思議な事件や神秘的な伝説の設定が幅を取ってしまいそうなところ、あくまで少年目線でお話が進むことでコンパクトで収まりのよい短編に仕上がっています。
全編にわたって流れる、ノスタルジックで切ない雰囲気も素晴らしいです。
おススメです!