破滅への追求

今作に優しさや美しさはない。舌触りの良い楽しさもない。
破滅へと、ただただ突き進む愚かしい男が描かれている。だがこれが、人だ。これも、人だ。
この作者の破滅への追求は、恐ろしくも真摯である。