自分の認識の甘さを呪う。
まさか、ここまで面白いとは思わなかった。
まさか、ここまで上手い作者だとは思わなかった。
普通に何気なく読んでみます。
すると、何かに取り憑かれたかのように読み進めます。
内容が理解しやすく、頭に入りやすい。
どんどん先が気になってきます。
予想外に楽しませてくれました。
RT企画で来たものの、いきなりスゴイ作品に出会えた事に感謝。
そして、俺の文章力より断然上じゃねぇかとパソコンの前で凹む。
ただ、欲を言えば描写をもっと細かくしてもいいかも。
全体的に文章構成がシンプル。それは読みやすくもあるのですが、ちょっと個性を感じにくいかも。自然や風景とか、雨の振り方、雲が天を覆ったり、雷の音……都会と田舎はかなり違いますよね。そういう描写をもっと細かくしてもいいかなーと思いました。
特に怖い部分の描写をもっと印象強く読者に残せるような作者さん自身の個性的な表現にしたら、この作品はすぐにでも本になるんじゃないかな……と感じました。あくまでも個人的な意見ですので、気に触ったらすみません。
どうか今後も執筆活動頑張ってください。
応援させていただきます。
『ホラー』ってね、『怖いもの』っていうイメージでしょ?
ちがうのね、これ。
いや、怖いんだよ、実際怖いんだ。ホント怖いの。
でもそれ以上に登場人物たちの抱えるものが大きくて、悲しくなってしまった。
それぞれに大切な家族や友達がいて、代々受け継がれたものに縛られて、自分の意志と無関係に、「その家に生まれ落ちた」というだけで運命が決まっている。それが重い。切ない。苦しい。悲しい。
『とにかく怖い』と評判だったのでかなりビビり上がりながら読んだんだけれども、私はその裏にある「それぞれの人間らしい苦しみ」とか「悲しみ」のようなものに引っ張られてしまって、涙なしには読めねーよ!な感じで一気読みしてしまいました。
恐いだけじゃないよ、これ!!
祖母の逝去をきっかけに、幼少の頃を過ごした村を訪ねた主人公・一可の周りで、不可解な出来事が次々と起こる。
一可は村の伝承・血眸さまの謎を追ううちに、やがて底知れぬ闇の中へと踏み込んでいく。
ひたひたと迫ってくる恐怖、人物名や村の成り立ちまで精緻に練られた設定、息もつかせぬ構成のうまさ、ミステリ要素、どれをとっても高水準で最後まで読まずにはいられません。
ある種の美しさすら感じられるラストは圧巻の一言です。鳥肌立ちました。
グロ・ホラー・残酷な描写はどうしても駄目、という方以外にはぜひ読んでほしい作品。
民間伝承・民俗学・ミーム・バイオインフォマティクスといった単語が気になる方は、きっと読んで損はないはずです。
読んでいるあいだ、一可と共に謎を追いかけるうちに、知らず知らず闇の奥へ奥へと誘(いざな)われていくような感覚を覚えました。
そして読み手は、彼が経験した地獄のような絶望でさえも、ただの序章にすぎなかったのだと最後に愕然と悟るのです。